[夫婦別姓問題] 夫婦別姓に反対する国民大会 (登壇者の発言)

[夫婦別姓問題] 夫婦別姓に反対する国民大会 (登壇者の発言)

[夫婦別姓問題] 夫婦別姓に反対する国民大会 (登壇者の発言)

人権女性家族

三月二十日、東京ビッグサイトで「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民大会」が開催され、全国各地から五千百名が集った。主催は、「夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会。登壇者の発言要旨を掲載。

なお大会の概要はこちらに掲載→http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/912


国民新党は党の命をかけて死力を尽くしてがんばり抜く

亀井静香国民新党代表・金融郵政改革担当大臣

この日本、おかしくなっていっているんじゃありませんか。いま、日本は日本ではなくなろうとしております。

家族の間まで隙間風が吹くような家庭が増えている。昨年から殺人事件の半分以上は、親子兄弟夫婦の殺し合いになりました。殺人事件が起こると被害者の周りを捜査すれば犯人の半分以上が上がると言う。もう猶予はできない事態であります。

夫婦別姓法案が、いままさに提出されようとしております。夫婦がお互いに好き合って一緒になるのに、「名前が一緒なら厭だ」というのは、私にはもう信じられません。私は福島瑞穂さんに、「あなたは子供はいるけど結婚してない。事実婚だ。こんな問題を議論する資格ないじゃないの」と言うと、瑞穂さんは、「先生が(法案に)賛成してくれるなら結婚してもいいですよ」などと言う。

夫婦が納得づくで姓が違うのはまだいいかもしれないが、子供はどうするんですか。僕はお母さんの姓のほうがいいよ、いやお父さんのほうがいいよ。一家の中でそんなバラバラのことをなぜ、せないかんのか。

私は瑞穂さんにも「戸籍上のそんなことまでしなければならないほど、社会生活に不便があるんですか」と言いました。我々がやってきた生活の仕方を、生活文化の一部を、なぜ変えなければならないか。論を俟ちません。

(夫婦別姓法案は)法制審をもうクリアして、法務省はこの法案を出そうとしているんです。千葉法務大臣も、顔を合わせるたびに、せめて出すだけ出させてください、と私に迫ります。

また、今週の水曜日には、鳩山総理自ら私に、「国会に出すだけ出させてください。国民新党は反対してもかまいません」と言ってこられました。それに乗っかって、OKしたらどうなりますか。この国会で直ちに、衆参とも可決されて成立します。防ぎようがありません。この国会で直ちにそういう事態になるのです。

国民新党は方針を変える気は全然ございません。ただ、皆さん、私は別に今日は選挙運動にきたわけではありませんが、現実に、この夏の参議院選挙で、この国民新党が消えていくようなことになったら、どうなりますか。笑い事じゃないんです。そうなったら秋の臨時国会では間違いなく成立するんですよ。

このちっぽけな国民新党が党の命をかけて、総理から説得されようと他の閣僚から言われようと、我々はこの日本を守るという一心でがんばり、今年の夏の参議院選挙は、孤独無縁の戦いであろうとも、秋の臨時国会でこの法案が成立しないために、我々は死力を尽くしてがんばり抜く決意であります。我々は歴史のなかで恥じない戦いをしていくつもりであります。皆さん方とまさに日本を守る、その一点において結ばれるものであると確信するものであります。


体を張って家族倫理、日本の伝統を守る

吉田公一民主党・衆議院議員

夫婦別姓がこんなに大きな話になるとは思ってもみませんでした。確かに十数年前にそういう話がありましたから、未然に防いでおこうと、慎重に考えるようにと働きかけました。個人や家庭の倫理の問題、そして何よりも民族の伝統というものがある。何処の国でも、例えば結婚式をみてもそれぞれの民族の伝統に則って式が行われています。

明治五年、戸籍法が制定されて以来、戸主は一人であります。旦那さん、あるいは女性の姓のどちらかに統一して登録してきた。ところが、もしもこの法案が通ったら、役所に二名届けなければならない。どっちが戸主かといえば両方戸主です。学校も困るし、選挙の戸籍係も困る。

離婚したときに離婚したかどうか分からないようになっている。再婚したら、さらに分からなくなる。するとあとを追っていくことができなくなる。

愈々結婚しようというときに、「あなたが好きだから生涯面倒見ます。だけど姓だけは別にしてください」と言われた途端に、これは途中で逃げる気でいるんじゃないかと疑いを持ってしまう。そんなこと考えないで、好きだから一緒になるというのが愛情であり、夫婦ではないか。子供が生まれたら、一人はこっち、もう一人はこっちと、次々と姓別の問題はついてくる。

なぜこんなことをいま法務省が出さなきゃいけないのか。そんなことよりやることは他にたくさんある。日本は平和で、いくら経済が悪いといったって豊かなんですよ。だからこういう問題を考え出す人がいる。常識で考えればそんなことにはならないだろうと思いますが、もしそんなことがあるようであれば私も体を張って、わが国の家族倫理、日本の伝統を守ります。


自民党の存在意義が問われている

下村博文自民党・衆議院議員

亀井大臣には何としても頑張って頂いて、閣議決定を阻止していただきたいと思います。

しかし、政府民主党は議員立法で今国会にも出してくるかもしれません。しかも民主党は党議拘束をかけてくるのではないかと私は思います。

しかし、この法案が通ってしまったら、夫婦の絆、それ以上に親子の絆がずたずたになってしまう。

最近の調査でも世界二十五カ国で十五歳の子供たちに「孤独を感じることがあるか」と聞いたところ、他の国に比べて日本は三十パーセントと高い。アイスランドが十パーセント、ポーランド八パーセント、カナダは七・六パーセント、他の国は五パーセントくらい。いま私達が思っている以上に日本の子供達は孤独感、閉塞感を感じているのです。残念なことに、政府民主党の強行採決で、子供手当、高校無償化法案が成立してしまいました。

子供は社会で育てるといっている。しかし、本当にそれで子供は育つでしょうか。子供の第一義的責任は、親に、家庭にあるのではないでしょうか。夫婦の絆は切れたとしても、親子の絆、血の絆は一生切れることはありません。

自民党では法務部会を中心にこの夫婦別姓について対案を出す準備をしております。すでに、平成二十年からパスポートには、旧姓を括弧つきで入れていいことになっていますが、今後、さらに通称使用については法整備をしていくが、戸籍までいじる必要はない。これがいまの自民党の大方の考えであります。これは我が党の存在意義そのものが問われている問題だと思います。

自民党はもう一度原点に立ち戻って、夫婦別姓反対に全力で取り組んでまいりたいと思います。

別姓法案の延長線には、皇室破壊の目的も

平沼赳夫 国益と国民の生活を守る会代表・

日本会議国会議員懇談会会長

昨年の衆院選時、民主党の政策集INDEX2009を熟読玩味して驚きました。左翼的な政策が羅列されている。マニフェストにはない選択的夫婦別姓、外国人地方参政権、靖國神社に代わる国立追悼施設等々。

国立国会図書館に恒久平和調査局を作って、ありもしない戦前の日本の悪いことを検証して国会に報告するということも書いてある。民主党の政策を書いているのは、日教組を始めとする旧社会党のスタッフだ。だからそういう左翼的な政策が列挙されているわけです。

しかし、マニフェストにはこれらは一言半句書いていないから国会に出してこないだろう、と思いました。

ところが、選挙前、わずか百十二議席しかなかった民主党は、圧倒的多数の三百八議席を取った。その結果どうなったか。選択的夫婦別姓を出そうとする。韓国にまで行って外国人地方参政権を約束してくる等々やりたい放題で、我が国はいまや危機的状況に陥っている。

我々の日本は言うまでもなく、連綿として百二十五代続いた天皇さまを戴いている。この選択的夫婦別姓の延長線には、我々が大切に守っていかなければならない皇室を破壊するという空恐ろしい意図が含まれている。この企みを阻止するためにも断固反対しなければなりません。

亀井大臣には、閣内にいて雄々しく反対してくださっている。そして二百五十万を超える国民の皆さんの署名が集まった。元号法制化のときも、国旗国歌法のときも、国民の熱意が国を動かしたのです。ぜひ皆様方の力を結集して、この国難のときに、日本人の正しい心を示していただきたいとお願いいたしまして私の決意表明といたします。

親学から見た夫婦別姓の問題点

木村 治美 (財)親学推進協会会長・共立女子大学教授

親学とは親となるための学習。基本にある考え方は「親が変われば子供が変わる」です。教育基本法にあるように子供の教育の第一義的責任は家庭にあります。親が変わることによって子供は変わっていきます。

かつては大家族や親しい近所付合いのなかで、自然に親はどうあるべきか学ぶことができていました。しかし現在では、それは意識的に学ばなければならない状況です。親学が登場した意味はそこにあります。さて、その親学の視点から選択的夫婦別姓を考えてみましょう。

子供たちの立場から別姓の親を見ることを想像してみましょう。私の、あるいは僕の父親と母親は、結婚するときに、どちらかの姓を名乗る、つまり同姓にする合意に至らなかった。夫婦の絆、一体感よりは個人主義を選んだ。そういう生き方を子供たちも受け止めて、家族の絆、一体感よりは自分本位に生きればいいのだなあと思うに違いありません。

オリンピックでメダルを手にした選手達が「家族の支えがあったから」と発言しているのを聞きますと、すばらしい、そうなんだと思います。しかし、いまこのつながりは見えにくくなっております。つながることが大切なのは、家族、親子の一体感だけではありません。時間の縦軸、つまり先祖代々の連続意識、この歴史軸におけるつながり、絆、連帯意識も別姓によって失われることでしょう。少なくとも「○○家の墓」というのはなくなるでありましょう。世の中には便利だから、都合が良いからといって変えていいものばかりとは限りません。守らなければならないものがある。一つの姓を守り先祖の歴史を守ることは家族の一体感、ひいては日本人の一体感につながっていきます。日本の伝統文化の仕組みを破壊してはなりません。

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