[ブラジルからの提言]TPPと日本農業
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[ブラジルからの提言]TPPと日本農業

[ブラジルからの提言]TPPと日本農業

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TPPの進展が取りざたされる中、日本農業の将来を憂える幾多の提言が出ていると聞く。TPPが入ったら日本の農業は潰れるという理論が大部を占めるという。日本の農業は、決してひ弱なものではない。

まず第一に挙げたいことは、日本の農業の生産額が世界の農業の中で5番目の大きさをもつ。日本の農業は面積が小さく人件費が高いために、海外の安い農産物が入ってくれば壊滅するという先入観がある。中国、アメリカ、インド、ブラジルのみが日本の農産物の生産額を上回る。ブラジルの2011年の生産額は11.5兆ドルで日本のそれは6.7兆ドルである。日本の2005年当時は9.9兆ドルであったようだ。ブラジルの生産高は年々増えており、穀類の生産は2013年度には2.0億トンに達すと予想されている。当然生産額も13兆ドル位にはなろうが、日本の農業生産は減少の一途で、5兆ドルを割るかもしれない。TPPが発効すればもう一段小さくなると風評が飛んでも致し方ない状態である。

農業のGDPに占める割り合いが2011年度で1.1%である。2013年には1.0%を切るであろう。200万戸の水田耕作農家がこれを支えている。戦後GHQの指令で550万戸の小農家が誕生した。そのころの農家一軒当りの面積は0.7haであった。現在は平均1.2haに回復しているが、この面積では当然農業生産を大きくすることは出来ない。米作の生産額はおおよそ1.8兆円、農産品生産総額の大よそ22%をしめる。(2011年の統計)。GDPに対しては米の生産金額は0.24%になる。他にもTPP問題で関税撤廃を要求される品目は麦、酪農製品、砂糖があり、約2万戸の生産農家がこれらに携わっている。

TPPは太平洋パートーナーシップ協定であり、ASEANより参加国が多く、且つ超大国のアメリカが参加するからややこしい。がアジアの諸国の代表としてここで踏ん張らなければならないのは日本ではないか。米作りは国家の安全保障であり、200万農家は日本の宝である。しかし大局的に見れば国家全体として総合的な発展を重視するべきであり、農業については抜本的な改革が必要であろう。戦後の異常な姿をいつまでも曳きづるのはよくない。

農業改革はまずは
①土地制度の見直し
②農業人口の定年制導入
③農用の土地の税制の見直し
④農家の担い手の若返り策
⑤農業の多角化と周年栽培の組み合わせ
等々を新農業政策として打ち出し、若くて自然との仕事を望む若人を引きつけることだ。やれば出来る。
新しい時代の新しい仕事はきっと農業にあると思う。
(ブラジル日本会議 理事長 小森広 25/11/15)

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