[民法]自民党部会で、「相続格差撤廃」に慎重論相次ぐ
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[民法]自民党部会で、「相続格差撤廃」に慎重論相次ぐ

[民法]自民党部会で、「相続格差撤廃」に慎重論相次ぐ

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10月22日、自民党は法務部会を開催し、今臨時国会に法務省が提出する法案について、法務省からの概要説明を受けました。

大きな問題となったのが、9月4日に最高裁が違憲判決を出した民法第900条第4号、「非嫡出子の相続格差の規定に関する」民法改正案です。

法務省は、最高裁が平成13年7月当時には、既に憲法違反であったという判断を受けて、「違憲状態を速やかに是正し、国民の混乱を回避するための法改正が必要」として、民法から「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし」の箇所を削除するとともに、出生届の嫡出子・非嫡出子の別を記入する欄を変更するために戸籍法を改正する必要があると述べました。

法務省の説明により新たに明らかとなったこととして、
(1)最高裁判決がなされた9月5日以降、裁判所では『民法900条第4号』についての訴えについて、既に「違憲無効」として、存在しない規定として扱われている。
(2)一方で、民法の明文規定として相続格差の規定が残っており、国民生活上の齟齬が生じている、
というものでした。

ある法務大臣経験者は、立法府の立場としては、最高裁の違憲判断に一度は従わなければならず、不備があるならば憲法改正をして規定を変えなければならないと、消極的推進の立場で発言しました。

他方、大方の出席議員からは、
最高裁判決のずさんさ、
夫婦別姓や戸籍制度廃止に波及することへの懸念、
ひいては法律婚の否定につながるのではないかといった発言が相次ぎ、
保守政党として法律婚保護の規定を設けるなど対策が取れないか提案されています。

今回の質疑では、次のようなことも明らかになりました。
例えば、平成17年に最高裁が出した合憲判断は、平成12年に提訴されたものであり、今回の違憲判決の提訴は、平成13年7月を違憲状態の起点としています。
この間わずか10カ月です。10カ月の間にどのような社会状況の変化があったのでしょうか。

また、最高裁判決は平成13年7月時点で違憲状態としながらも、平成25年9月の判決までに確定した遺産分割については影響しないとしています。
逆に平成13年から25年9月まで係争中の事案については、相続格差の撤廃が認められることになりました。
平成13年7月を起点として、裁判に訴えた人と訴えなかった人との間に別の形の不平等が生起することになりました。

こうした疑問点が議員から相次ぎ、22日の会合では民法改正案を事前審査する段階には至っていません。

今後、23日正午より再び法務部会を開催し、最高裁判決の判決内容の説明や、非嫡出子の相続格差についてのこれまでの経緯について法務省から説明を聞き、その上で改めて法案審査の日程をはかることになりました。

自民党部会で出された異論、
「法律婚と事実婚の法的格差をなくすことで、事実婚が増大するのではないかとの懸念」
「法律婚を保護し、事実婚、法律婚と不倫の重婚状態を増加させないための方策が必要」
「夫婦別姓や、戸籍廃止に波及させないための歯止めが必要」など、
家族のあり方に関わる重要な問題であるだけに、引き続き慎重な議論が望まれます。

トピックス : 夫婦別姓

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