[新教育基本法] 国会答弁で明らかにされた新教育基本法の理念
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[新教育基本法] 国会答弁で明らかにされた新教育基本法の理念

[新教育基本法] 国会答弁で明らかにされた新教育基本法の理念

教育

〔国会答弁要旨〕

新しい教育基本法の解釈をめぐる国会論議が活発に展開されました。特に愛国心、道徳心などの新しい教育目標や戦後、文部省や日教組等との争点になってきた教育行政における「不当な支配」をめぐる政府解釈などを中心に選択してみた。※( )内の年代は全て平成18年

 

[1]教育基本法改正の歴史的意義と背景

①伝統文化と規範意識の復活が法案の根本哲学だ

〇伊吹文科大臣 「日本という、一国一文化という、祖先の永遠の、悠久の営みの中でできてきた我々の法に書かれざる規範、伝統的な文化の中から出てきた規範のようなものを大切に教えられる教育基本法にしていこう、それが安倍総理の言っておられる基本的な、美しい国の根本だと私は思います。」(10月30日 衆院特別委)

〇伊吹文科大臣 「日本は日本独自の文化の中で規範意をずっと醸成をしてきた。それがあの10年ほどの占領下で一時途絶えたということは、その後の行動に大きな影響を与えたと思います。その国特有の規範意識を復活させ、…これが今回の法律の一番の私は根本哲学だと感じております。」(11月22日参院特別委)

〇安倍官房長官(当時) 「(現)教育基本法におきましても、…個人の尊厳、個人の権利、個人についての言及、そして人類普遍の原理については言及があるけれども、そのまさに真ん中の胴体部分である、例えば家族とか、郷土に対する誇り、国に対する思い、あるいは伝統や文化、歴史、そういうものへの言及がないではないかという観点から、今回、前文にも、あるいはまた教育の目標の中にも、公共の精神あるいは伝統を継承等々の文言が入ってまいるわけでございます。」(5月26日 衆院特別委)

②志ある国民の育成が重要である

〇安倍総理大臣 「志のある国民というのはもちろん、自分はこの世に生まれたからには人々のために役に立ちたい、あるいは地域や社会を今より明日、いい地域や社会にしていきたい、そのために役に立つ人間として自分はこの日本で生きていきたい、あるいは世界の中で活躍をしたい、そういう思いを抱く国民をつくっていくことが、養成をしていくことが私は大切であろう。」(11月22日 参院特別委)

 

[2]愛国心教育

①国を愛する「心」と「態度」は一体として養われる

○安倍総理大臣 「私たちをはぐくんできたこの我が国やまたあるいは郷土を愛するその態度を、これは当然、心と態度はこれは一体でなければならないと、そういう心を養っていく中において、その心の発露としての態度が私はこれは生まれてくると、このように理解をいたしております。」(11月30日参院特別委)

〇安倍総理大臣 「『我が国と郷土を愛する』ことは、我が国や郷土を愛し、さらに、その発展を願い、それに寄与しようという態度のことであり、このように我が国と郷土を愛する心と態度は一体のものとして養われるものであります。このような・・・態度を養うため、学校教育では、我が国や郷土の発展に尽くした先人の働きや、我が国の文化遺産や伝統芸能などについて調べたり体験したりすることを通じて、我が国の歴史や伝統文化に対する理解と愛情をはぐくむ指導が今後より一層行われるよう努めて参ります。」(11月17日 参議院本会議)

②「愛国心」の「評価」は当然行われなければならない

〇安倍総理大臣 「そうした態度をこれは養うために、我が国の例えば歴史や文化や伝統あるいは偉人の業績等々について…また故郷の地域のすばらしさ等々を調べる、そういう調査をする、学習するという態度についての、それは評価をするというのはこれは当然ではないだろうかと、このように思います。」(11月22日 参院特別委)

〇平沼赳夫議員への政府答弁書 「『我が国と郷土を愛する…態度』を養うことを目標とする指導における児童生徒の評価については、例えば、国家や社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について進んで調べたり、学んだことを生活に生かそうとしたりする態度を評価するものである。今後、このような評価の考え方について、各都道府県教育委員会等に対する指導等を行ってまいりたい。 また、いわゆる通知表における評価については、各学校の校長が、その責任において適切に判断すべき事柄であるが、右に述べたような評価を行うことは問題ないと考える。」(12月19日)

③国旗国歌教育は重要、政治的な反対は問題だ

〇安倍総理大臣 「学校の…セレモニーを通じて自国の国旗・国歌に対する敬意、尊重の気持ちを育てる、涵養するということは極めて私は重要であろうと思うわけでありますし、…国歌の歌詞についても、そこで子供たちが自分たちの国歌の歌詞について学ぶ機会が失われることになってはならないと、…例えば教室、また学校の現場において、言わば政治的闘争の一環としてこの国旗の掲揚や国歌の斉唱が行われないとすれば、それはやはり私は問題ではないかと思います。」(11月22日 参院特別委)

④「内心の自由」を根拠に「歌わない自由」を教えることは間違いだ

〇小坂文科大臣 「一番最初に、まずこれから国旗・国歌について話すけれども、君たちには内心の自由があるから歌っても歌わなくてもいいんだよ、それを言ってから歌詞を教えるとか何かをしても、なかなか覚えるような下地はできてこないと思います…。それをまず教師という指導的立場にある人が、内心の自由があるから歌を歌わなくてもいいんだよなどという言い方は、やはりこれは逆の指導をしているというふうにとらえられてもやむを得ない。」(6月8日 衆院特別委)

 

[3]宗教的情操

①「宗教的態度の涵養」はぜひ必要だ

〇伊吹文科大臣 「宗教は、やはり人間というのは非常にちっぽけなものであって、特に今に生きている我々は、祖先の営みから見ると極めて短い期間しか生きておりませんので、積み上げられてきたものに対する謙虚さというのは、やはりこれは保守主義の原点なんですね。同時に、自然に対する畏敬の念、我々は決して宇宙には及ばない、大きな山には及ばない、そういう気持ちを常に持ち続けているということがあらゆる宗教のやはり原点にあると思います。そういう意味での宗教的態度の涵養というのはぜひ必要なことだと私は思います・・・。」(11月15日 衆院特別委)

②道徳を通じ宗教的情操への理解は重要

〇安倍総理大臣 「道徳を通じて、生命や宇宙の神秘、人知を超えるものに対する畏敬の念を教えていく。一日生活が終わって感謝の気持ちを持つ。おいしいものを食べたときに感謝の気持ちを持つ、手を合わせる、そういう自然な気持ちがそういう中でも私は培われていくだろうと、このように思います。」(12月14日 参院特別委)

③文化学習としての寺社見学は許容される

〇銭谷初中局長 「宗教的儀式に参加する目的ではなく、かつ児童生徒に対して強要せずに歴史、文化を学ぶことを目的として神社などを訪問することは、禁止されている宗教的活動には該当しないと考えております。(6月2日 衆院特別委)

④「いただきます」などは宗教行為には該当しない

〇伊吹文科大臣 「手を合わせるということは、これは一つの、人間としての、御苦労なすった方、自然の恵みへの感謝の自然な気持ちの発揚ですから、そのときに何か特定宗教の何とかを唱えたとか、ここは私あえて何とかと申し上げておきますが、・・・いただきますと言って手を合わすということがとても私は宗教行為だとは思えません。」(11月27日 参院特別委)

 

[4]道徳教育

①公共のために尽す心を養う教育を行う

〇伊吹文科大臣 「自分が犠牲になることがあっても公共のために尽くしたというような事案がたくさんございます。そういうことをやはり一つ一つ理解してもらいながら、そういう心を養っていってもらうということだと思います。」(11月28日 参院特別委)

②日本独特の規範意識などを指導要領に盛り込む

〇伊吹文科大臣 「日本には日本の規範意識というものがあります。これは、日本の長い歴史の中でビンテージを持って醸成されてきた日本特有の文化の結晶のようなものですね。…この法案が国会でお認めいただければ、学習指導要領等を含めて、何を教えるんだ、…道徳について、もう少し指導の範囲、あるいは教えるべきことを書き直すようなご提案を中教審等からいただいてつくっていく。」(11月6日衆院特別委)

③道徳の教科化につき重要課題として検討する

〇小坂文科大臣 「道徳の教科化につきましては、平成12年12月の教育改革国民会議におきましても、小学校に道徳、中学校に人間科、高校に人生科などの教科を設けて専門の教師や人生経験豊かな社会人が教えられるようにすべきではないかという提言がされているところでございまして、現在、中央教育審議会におきましても、学習指導要領の見直しについて検討を行っているところでございます。道徳のあり方につきましては、学習指導要領の改訂を通じての論議の中で引き続き重要な課題として検討を進めてまいりたいと考えております。」(5月31日 衆院特別委)

④ジェンダーフリーは不適切である

〇高市国務大臣 「このジェンダーフリーという用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なるということで、例えばということで、児童生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、男女同室の着替え、男女同室の宿泊、男女混合騎馬戦などの事例は極めて非常識であると、ここまで書いているところでございます。」(12月13日参院特別委)

 

[5]教育行政

①教育の権限は国会の定めた法律にもとづく

〇伊吹文科大臣 「教育の権限というのは、…国権の最高機関である国会にあるというのが当然のことであって、国会で決めてくだすった法律によって権限が分与されているわけです。・・・これは自然発生的に学校の教師にその権限があるのではなくて、権限の分与をされた範囲においてその権限を持っているというのが法理上の権限の規定じゃないんでしょうか。」(11月14日 衆院特別委)

②教育行政は不当な支配には属さない

〇伊吹文科大臣 「各教育委員会は、やはり国権の最高機関である国会が議決した法律に基づいてこの国は動いているんだということは十分理解しておると私は思います・・・。これは今回の法律改正案ではそのところは大変明確にしていただいたと私は思うんですね。…法律に基づいて行なわれる教育行政というものは、これはもう不当な支配には属さないけれども、堂々と正当なものであるんだということをはっきりしていただいているわけですから、むしろ各教育委員会が徹底しなければいけないのは、特定の組合に属している教職員の人たち、そういう人たちにこのことをはっきりとわかってもらわなければなりません。」(11月15日 衆院特別委)

③不当な支配とは何をさすのか

〇伊吹文科大臣 「国会で決められた法律、あるいは国会で決められた法律に従って作成されている政令、あるいは大臣告示、これは国民の意思として決められているものです。国民全体の意思として決められたものでない力によって教育が行われる場合を、不当な支配と言っております。」(11月22日 参院特別委)

〇伊吹文科大臣 「学習指導要領によって全国一律の教育の内容を担保しているわけですから、それと違う、それと違う内容をイズムによって教えたり、あるいは特定の団体が、結局その団体の考え方でもって教育を支配するということを排除する条項だということです。」(11月22日 参院法特委)

④行政と組合との違法な「確認書」は直ちに是正する

〇平沼議員への政府答弁書 「地方公共団体と各種団体との間で結ばれたいわゆる「確認書」等については、違法なもの又は不適切なものは直ちに是正する等適切に対応するよう指導してまいりたい。」(12月19日)

⑤「学習指導要領」は法を構成する一部である

〇伊吹文科大臣 「学校教育法に基づいて政令があり、学習指導要領というのは、その法律の一部である。今でいえば文部科学大臣の告示として発出されておりますから、これはもう法律の一部なんですね。ですから、これに従って学校現場の管理、指導をしていただくというのは、これは当然のことです。」(10月31日 衆院特別委)

⑥教育委員会制度を見直し、文科省の権限強化について法整備を進める

〇伊吹文科大臣 「教育委員会は、…今のままでは私はよくないと思っております。…今後、教育長はどういう形で任命されるのがいいのか、…教育委員会の事務局が執行機関であって、教育委員会そのものは監査機関の方がいいんじゃないかとか、あるいは、人事権を実際に持っている都道府県に集中をした方がいいのか、市町村にむしろ人事権をおろしてしまった方がいいのか、いろいろなことが絡み合って、これから地教行法をやはり私は見直していかねばならないと思うのです。」(12月13日 衆院特別委)※( )内の年代は全て平成18年

トピックス : 教育基本法

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