【産経記事】月に1度の沖縄訪問を 谷口智彦

【産経記事】月に1度の沖縄訪問を 谷口智彦

【産経記事】月に1度の沖縄訪問を 谷口智彦

谷口智彦会長コーナー

11月17日『産経新聞』月曜コラムに、谷口智彦・日本会議会長のコラムが掲載されました。

高市首相の「存立危機事態」に関する発言が、外交問題となり、南西諸島の防衛にも大きな注目が集まる中、谷口会長は、与那国、宮古島、石垣島といった国境の島々に高市首相が訪問することを提言しました。

■月に1度の沖縄訪問を

第2次政権発足早々、安倍晋三故元首相が秘書官たちにまず言ったのは、「週末を全部使う」だったと聞いている。

実質上、高市早苗首相と同様に「ワーク、ワーク、ワーク」すると宣言した。というか高市氏が、この安倍元首相の先例を意図して踏襲しているのであろう。

「週末は少なくとも毎月4回ある」と元首相は言って、その使途を指示した。

1回は必ず外国へ行くことにして、そこから弾丸出張シリーズが始まった。

国内各地の景況視察と平日会えない人との会合に各1回の週末を充てると、土日で残るのはあと1回だ。

「それを、福島はじめ東日本大震災の被災地を回るのに使う」と明言して、長いことその誓いを守った。

どこでも寝てしまう首相の次に来た自称働きまくり総理大臣は、若年層や女性の人気をあっという間に集めた。どうやら私たち日本人は、懸命に働く人についていきたい生き物らしい。

効果が実証済みではあることだし、高市首相にも、月に1度は必ずやると決めて実行してほしいことがある。沖縄へ行くことだ。

最初に行ってほしいのは与那国島である。これからの時期なら空気が澄んで、「指呼の間」にある台湾が見えるかもしれない。

習近平氏一人の判断で、台湾武力侵攻はいつ起きないとも知れない。与那国島のレーダーなどは真っ先に狙われる-ということを知りつつ働く自衛隊員は、現代の防人(さきもり)だ。どんな面構えか、見てきてほしい。

なんでもコンビニがないとかで、隊の施設にある乏しい品ぞろえで我慢しているらしいから、圧倒的物量の駄菓子(と飴(あめ)ちゃん)を持っていってほしい。

宮古島にも石垣島にも、しばらくは月に1度と決めて順繰りで回り、合間には沖縄本島のそこここを巡って中学生や高校生にハッパを掛けてみるなどどうか。

日本維新の会との連立政権合意書は、「経済安全保障政策」としてやや肩透かしなことに「南西諸島における海底ケーブルの強靱(きょうじん)性を強化するための施策を推進する」の一項を掲げるのみだ。だったら、実のところどれほど脆弱(ぜいじゃく)なのか、維新の誰か、それからここらに強い関心をもつ小林鷹之自民党政調会長らと一緒に見に行けばいい。

首相の沖縄、南西諸島訪問がほとんど定例と化し、新聞がベタ記事で扱うかどうかくらいになればしめたものだ。空や海から尖閣諸島もしっかり見てもらって、新聞に驚いてもらおう。

それでこそ次に習近平氏と会ったとき、奈良の女はなめたらあかんと、ドスをきかせることができる。

来年は、沖縄県知事選挙の年だ。東京でじっとしていたって、状況は好転しない。自衛隊には、使うのにいい飛行機もあると思う。

(「産経新聞」月曜コラム 令和7年11月17日より)

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