皇室の伝統を守ろう!日本武道館・一万名大会
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皇室の伝統を守ろう!日本武道館・一万名大会

皇室の伝統を守ろう!日本武道館・一万名大会

皇室

日本武道館へ一万名が結集! 皇室の伝統を守る国民の会設立!

国会議員署名225名に。

平 成十八年三月七日、東京の日本武道館で「皇室の伝統を守る一万人大会」が開催され、一万三百人が集った。昨秋提出された「皇室典範を考える有識者会議」の 報告書に基づき、女系天皇を認め、第一子優先を柱とした法案提出の準備が政府部内で着々と進められる中、万世一系の皇位継承の伝統を守ろうと、心ある国民 の間から反対の声が沸き起こり、二月七日、秋篠宮妃紀子殿下ご懐妊が発表されるとさすがの小泉首相もトーンダウン、今国会での法案提出は見送られる可能性 が高くなった。しかし、危機は去ったわけではなく、皇室の伝統に則った皇室典範の改正もまだ具体化したわけではない。

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20060307_3・7一万人大会_万歳

「拙速な皇室典範の改定に反対する国会議員署名」は本大会までに二百二十五名に達し、大会にも八十六名の国会議員が来賓として参加。本大会をもって「皇室の伝統を守る国民の会」が設立され、以下の三点に取り組む大会決議が採択された。男系による万世一系の皇統維持のための具体案の提唱皇室敬愛の教育の充実と天皇陛下御即位二十年奉祝事業の推進皇室制度の諸問題を抜本的に解決するため皇室制度を検討する国会議員の会の設立を要望するなお、大会翌日の八日、内閣官房皇室典範改正準備室の柴田雅人室長は、「有識者会議」の「報告書」は次の内閣を縛るものではないことを明言した。真の皇室制度の充実を図る国民運動が幕を開けた大会となった。

●皇室の伝統を守る一万人大会

三月七日、東京の日本武道館で「皇室の伝統を守る一万人大会」が開催され、北は北海道から南は沖縄まで全国各地より各界各層一万三百人が集った。

大会では、三好達氏、中西輝政氏、櫻井よしこ氏、平沼赳夫氏、島村宜伸氏、中井洽氏、アフターブ・セット氏、金美齢氏、加瀬英明氏、関岡英之氏ら各界代表が挨拶を行い、ベン・アミ・シロニー氏からメッセージが届けられた。

この大会で、「皇室の伝統を守る国民の会」(事務局=日本会議)を設立、万世一系の皇室の伝統を守るため、男系の皇位継承維持と磐石な皇室制度の確立、そのための国会議員連盟の設立、天皇陛下御即位二十年奉祝事業の推進などを提唱した大会決議が採択された。

大会には各種団体からの代表が参加。自民、民主の衆参国会議員八十六名も参加し、国民運動と国会とが連携して、皇室の伝統を守り抜く決意を固め合った。以下、登壇者の発言要旨を掲載する。(文責・編集部)

●皇室の伝統を守る一万人大会プログラム

[皇室の伝統を守る国民の会設立大会](敬称略)

司会村松英子(女優)

一、開会宣言

一、国歌斉唱

一、主催者代表挨拶三好達(元最高裁長官)

一、各界からのご提言

中西輝政(京都大学教授)

櫻井よしこ(ジャーナリスト)

一、来賓ご挨拶

島村宜伸(自由民主党代表)

中井洽(民主党代表)

平沼赳夫(日本会議国会議員懇談会会長)

一、来賓(国会議員)のご紹介

一、各界からの意見表明

アフターブ・セット(慶応大学教授)

金美齢(台湾総統府国策顧問)

ベン・アミ・シロニー(ヘブライ大学教授)

加瀬英明(外交評論家)

関岡英之(ノンフィクション作家)

一、大会決議百地章(日本大学教授)

決議文の受領下村博文(自民党)

松原仁(民主党)

一、聖寿万歳小田村四郎(前拓殖大学総長)

一、閉会宣言

●主催者代表挨拶

陛下の信頼にお応えするために

三好 達(日本会議会長)

女系天皇の導入、男女を問わず長子優先による皇位承継を柱とした「皇室典範に関する有識者会議」の報告書は、我が国の有史以来、百二十五代にわたり連綿として守られてきた男系による皇位継承の在り方を永遠に断ち切ろうとするものでした。これに対し、心ある国民の間からの反対の声は燎原の火のごとく広がり、秋篠宮紀子妃殿下のご懐妊の慶事も伝えられ、いっそう慎重論が広まりました。このような情勢の下、政府も今国会は見送りましたが、しかし、有識者会議の報告書に則った改定を行うという基本姿勢は全く崩していません。

そこで私どもはここに「皇室の伝統を守る国民の会」を設立することにいたしました。男系による皇位承継に向けて思慮深く健全な世論を形成し、国民が心を一つにして叡智を結集し、方策を図りその制度を確立していくためです。皆様のご賛同とご参加、絶大なるご協力を賜りたいと存じます。今日はその設立の大会であります。この広い日本武道館を埋め尽くす、かくも大勢の皆様にお目にかかることができ、まだまだ日本は大丈夫と目頭が熱くなるのを禁じ得ません。今、六十一年前を思い出しております。昭和二十年ポツダム宣言を受諾するとき、我が国の国柄は有史以来、もっとも重大な危機に直面いたしました。昭和天皇の、自分の身はどうなろうとも国民を救わなければならないとの御聖断により、ポツダム宣言を受諾し、多くの国民の命が救われたのでありますが、その際の最大の問題は国体の護持でした。

軍部は、これでは国体護持が保証されていないとし、更なる抗戦を主張したのですが、そのとき陛下は、「国民の自由意志によって決めてもらって少しも差し支えがないではないか」とおっしゃられたのです。陛下の御心には国民に対する大きな信頼があられた。終戦の詔書のお言葉の中には、「朕は…忠良なる爾臣民の赤誠に信倚し」とあります。このお言葉は陛下のそのお気持ちを率直に表したものと拝察いたします。

そして昭和二十二年、旧皇室典範が新皇室典範へ改められはしましたが、万世一系の男系男子による皇位継承それ自体につきましては、しっかりと維持されてきたのです。昭和天皇の国民への信頼に、国民もまたお応え申し上げたのです。

爾来六十年経った今日、敗戦により異国の支配を受けるという有史以来の最大の危機に際しても、そしてまた占領軍によって押しつけられた憲法によっても改変が加えられなかった男系による皇位継承を、政府は変えてしまおうというわけであります。しかも有識者会議の座長は、「論議に国家観は入れさせない、歴史は我々が作っていく」と言い放っております。それはまさに、革命思想と共通の思想基盤に立つものと言わざるを得ません。陛下の信頼にお応えするためにも、皇室の伝統に繋がった皇位継承のあり方を守る活動を展開して参りたいと存じます。私どもは国会議員の方々に、皇室典範の改定に慎重な対応を求める署名をお願いして参りましたが、本日までにその署名数は二百二十五名に達しております。私どもはこれら国会議員の方々を中心に、私どもと同じ目的に向けた国会議員の会を設立していただき、その活動に心から期待してやみません。

●各界からの提言

典範改正の当事者能力があるのか

中西輝政(京都大学教授)

秋篠宮妃紀子殿下のご慶事は、人知を超えた何か神秘的なものさえ感じました。我が皇統の安定的な継承ということが今、国家の大事になっておりますが、このご慶事により我々が目を覚まされた、大変ありがたい機会を与えて頂いたと感じております。

ただ、危機はまだ続いております。「有識者会議」の報告書に基づいた法案提出への政府一部の動きはまだ続いています。気を引き締めて我々が問題点を指摘し、より広く国民の啓蒙を図っていくという努力が、今後ますます必要になるのではないか。有識者会議の報告書は三つの大きな問題点があります。第一に「はじめに結論ありき」といった決定の過程の問題です。日本政治史に類例を見ない拙速さが、このような大切な問題に関して取られているということを忘れてはなりません。第二は、第一子優先、いわゆる長子優先ということが謳われておりますが、例えばイギリス、デンマークの王位継承でも男子優先という原則が厳然と取られているのです。第三は、女系天皇の導入です。私は日本皇室の最大のアイデンティティー、本質とは万世一系にあると考えております。万世一系には、三つの重要な意味があります。まず第一に皇統譜にありますように、神武天皇以来二千六百六十六年、一つのご家系がこの皇位を継承してこられたということです。第二点目は、さらに神武天皇以前即ち、神話、神々の系譜に繋がる家系、系譜であられるということです。それ故にかつて源頼朝、織田信長、徳川家康も皆、神々の系譜に連なる天皇というものの権威を犯すことは到底できなかったわけです。第三点目は、百二十五代全て男系で継承してきたことです。歴史的な事実として女系天皇は現在に至るまで、お一人もおいでにならなかった。この二千年以上にわたる万世一系という皇位継承の伝統を根本的に改変するような決定を、どうして今する必要があるのでしょうか。女系天皇は世界史的に見れば、いわゆる王朝の交代となります。神武天皇以来の百二十五代に亘る神武王朝が女系天皇の導入によって、例えばお婿様が山田太郎様というお方であれば、そこで山田王朝という新しい王朝が生まれたということになります。

我々がそう考えなくても、世界の中における日本皇室の位置づけが変わると理解しなければなりません。

二一世紀は文明の世紀であると言われています。例えば西洋文明の根底にはキリスト教の心があるとしたら、日本文明の核心には日本人の心のかたちというものがあるわけです。正直で、表裏のない、率直で争いごとを好まない、約束を守る、こういう心のあり方に美的価値を見い出している、この日本文明の心の清潔さを重んずる淵源はどこにあるのでしょうか。

それは、日本の歴史と伝統、そして日本人の心を象徴される天皇が、日本国の繁栄と我々国民の幸せを祈って日々、祭祀にいそしんでおられるところにあるのではないでしょうか。秋篠宮妃殿下のご懐妊のニュースが伝わる前日、二月六日発表の世論調査によると、五六パーセントの日本国民が女性天皇と女系天皇の区別が分からないと答えています。小泉首相にしても、女系天皇の理解が果たしてどこまで深いものであるのか。つまり我々はまだ天皇、皇室について知るべきことを知らないのではないでしょうか。皇室典範のような基本法を改正する当事者能力が現在の日本国民に果たしてあるのでしょうか。このことをまず静かに考えて見る必要があるのではないでしょうか。

天皇の本質とは何か。それは神々の系譜に連なられる御存在であるということです。昭和天皇は、GHQからの神格否定の圧力があったとき、「天皇の系譜が神代に連なる万世一系の系譜であることを否定することは決してできない」とおっしゃいました。昭和天皇の御心がここに深く現われています。

現在の皇室典範は、皇位継承の御印、三種の神器、或いは大嘗祭等についてほとんど何の取り決めもしていません。つまり全く暫定的なものです。天皇とは何かということについてのより深い理解の上に立った真の皇室典範の改正ということを、我々国民の側から声を上げて、腰をすえしっかり取り組んで行く必要があるのではないかと思います。皇室の伝統を守る我々国民のあり方というものが問われているのです。

●各界からの提言

皇室の伝統とは日本民族の成り立ちの物語

櫻井よしこ(ジャーナリスト)

なぜ有識者会議の結論がいけないのか。それは民主主義のルールにもとるということが第一にあるかと思います。選ばれた十人の方々が、十ヶ月に亘って論議なさった。けれども各委員の出欠が明確な十五回の会議のうち三分の一以上の六回を欠席した人もおられます。出席をしても冒頭の二十分間で中座した人もおられます。二千六百年以上も続いてきたこの長い伝統のこれからのあり方を論ずるときに、このような不真面目な態度で論議をしてよろしいものでありましょうか。

私たちは皇室の伝統を見るときにいろいろ不思議なことがあることにも気がつきます。なぜならば皇室というのは神話の世界から出発しているからです。近代主義の合理的な理屈に則って考えれば割り切れないこともたくさんございます。けれどもそれは当然のことです。なぜならば、皇室の伝統とは、私たち日本民族の成り立ちの物語だからです。物語に込められているのは、私たち民族の心です。私たちの先人たちが何を大事だと思って来たのか、何を守らなければならないと思ってきたのか。そうしたその時々の判断、心の有り様、心映えというものが凝縮されたものが日本文明であり、その日本文明の神髄が皇室の姿の中にある。だからこそ万世一系、男子相続ということについて、歴代の天皇は心を砕いてこられました。

昭和天皇にはまず四人の内親王様がお生まれになりました。四人目のお子様が誕生なさったのが昭和六年三月です。国民は今と違って、当時皇室にもっと強い尊敬の念を抱いておりました。

親王様誕生を心待ちにしていたところに、四人目のお子様も内親王様でいらした。そのわずか二十日ばかりのちに、昭和天皇は、元老の西園寺公望にご下問をなさっておられます。「養子を取ることは可能ではないのか。返答せよ」と。このことが示しているのは、ご自分のかわいらしい内親王様を天皇に即位させようというおつもりではなかったということです。

昭和天皇も長年続いた日本の伝統を必死に守ろうとお考えになり、そこでご下問になったのが養子制度の検討でした。そうしたことを全て打ち破ろうとしたのがGHQです。GHQは皇室を無くそうといたしました。ただ日本統治のためには皇室はどうしても必要であることを認識したマッカーサーが細々と存続させたにすぎません。にもかかわらず平成の時代になっていま、日本人の間からまるでGHQがやり残した仕事を完成させたいかのような動きが出てくるというのはなんと悔しく、悲しいことでございましょうか。

紀子様がご懐妊になりました。このことは私たち国民全員にもっとしっかり考えなさい、あなた方は何者ですか、無国籍の民ではありませんでしょう。

日本民族の末裔でしょう。この日本国の歴史と伝統と文明を忘れて根無し草のようになって、どうなさるおつもりですかと、聞いておられるのだと思います。今暫くの時間が私たちに与えられました。有識者会議の報告をまだ、あきらめていない人々がいる。だからこそ私たちは、この与えられたわずかの時間に叡智を結集して、私たちを日本民族たらしめてきたこの文明の証としての皇室のあり方についてしっかりと考えて、悔いのないようにこの国を存続させて行こうではありませんか。

●来賓挨拶

天の岩戸が開かれた

島村宜伸(自由民主党、衆議院議員、元農林水産大臣)

二月一日に憲政記念館で「皇室典範の拙速な改定に反対する緊急集会」が開かれました。会場は超満員の熱気でしたが、その際、あまりに拙速にすぎる。皇太子殿下も秋篠宮殿下もまだお子様が誕生する可能性が十分にある、と申し上げました。それからわずか一週間の後に紀子妃殿下ご懐妊の発表がありました。天手力男命によって天の岩戸が開かれてぱっと明かりがさした感じがいたしました。それ以来、一時は大変な勢いで強引にやろうとしていた小泉さんも、方針を変えられました。これは素晴らしい救いだなと思ったわけです。郵政民営化とはわけが違う。二千年の歴史、百二十五代にわたる我々が世界に誇ってやまない皇室は、男系の天皇で貫かれているんです。この世界に誇るべき歴史をほんの一時の気の迷いでなおざりにしていいのでしょうか。

私たち自由民主党は、自由と民主主義を標榜し、開かれた党の運営の中で自由に論議し、党の知恵と力を集めて五十年の歴史を築いて来た政策集団です。そして偏狭と独裁を最も嫌う政治家の集団でもあります。その政党の議員、国民から選ばれた立場を無視して、一総理のお考えで党議拘束をかけてこれを強引に押し通す。こういう暴挙に対しては断固戦わなくてはいけない、私たちはまた党を二つに割るような戦いをしなければいけないのかなと、密かに覚悟を決めていたら、幸いそういうことに至りませんでした。私たちは敢然として国民の意思を体し、正しい政治の道を切り開かなくてはならない。

今回の皇室典範問題はそのひとつのきっかけにもなりました。有識者会議といっても総理の私的諮問機関の一歩を出ない。これは国会の機関でも何でもない。わずか十名の歴史の専門家でもなければ、皇室の伝統に詳しい方だとも思えないような方々が、わずかな論議のうちに、皇室の将来のあり方まで断定するのはとんでもない話だ。私たちは今こそもう一度、日本人の本来の姿に立ち返って、愛するこの日本の国の将来が如何にあるべきか、立派な日本を築いて、子供たちに渡して行こうではありませんか。

●来賓挨拶

まず皇室会議に図るべき

中井洽(民主党、衆議院議員、元法務大臣)

近頃、民主党というと恥ずかしくて胸を張ってものを言えない状況です。しかしその中で胸を張って日本の将来を考え、皆さんと一緒に国を守ろうと今日も二十人の仲間が参加しております。メール問題では大失態をしましたが、国の根幹に関わる問題で迷走したりしないように私どもは皆様と一緒にがんばる決意です。すでに西岡武夫さんを長として勉強会を発足させて、一番最初に櫻井よしこさんにお越し頂き、会を重ねるごとに、参加者も増えています。国会議員がまず理解する。そして国民の皆さんに理解して頂く。その中で円満に皇室の伝統を守る方向を見つけ出していく。このことのためにがんばって参ります。今、島村先生からお話し頂いた二月一日の緊急集会で、私は、皇太子殿下、四十五歳、秋篠宮殿下、四十歳、まだまだ大丈夫だとお話をさせて頂きました。するとその一週間後、紀子妃殿下がご懐妊のご兆候と。背筋が寒くなるような震えを感じました。しかも、小泉さんが法案を出すか、出さんか、決断するぎりぎりのタイミング。さらにご出産のご予定日が、小泉さんが辞める九月。これは本当に神様がいらっしゃるなあと私は実感いたしました。

現行の皇室典範の制定にあたっては、GHQの干渉の中で当時の関係者がどれだけ苦労されたんだろう、と思わずにはいられません。いまテレビ等で相変わらず何も分かっていない評論家たちが、憲法の範囲だ、男女平等だなどと言っています。しかし、皇室典範には、皇室会議に図るということが頻繁に出てきます。今回の皇室典範の改定について、一度でもこの皇室会議に図ったことがあるのでしょうか。皇室会議には、最高裁長官、衆・参両院の議長、副議長、そして宮家もお入りになっていらっしゃる。その会議に図った上で、時間をかけて国会でやっていく。これが民主主義の当たり前のやり方です。皆さんと一緒にこれから油断なく、勉強を積み重ねて、日本の伝統中の伝統を守り抜くために、共に戦わして頂くことをお誓い申し上げます。

●来賓挨拶

日本の、世界の宝を守ろう

平沼赳夫(日本会議国会議員懇談会会長、衆議院議員、元経済産業大臣)

私はこの会場に入らせて頂き、大感激しました。全国から日本を憂える皆様方が、この日本武道館満堂あふれるほど盛大にご参集頂いております。まず心から御礼申し上げたいと思います。

私は日本、日本民族の宝はご皇室をおいて他ないと信じている者です。一昨年の暮れに総理大臣の私的諮問機関として、「有識者会議」の発足が発表されました。その十名のメンバーの方々は、私の見るところ皇室の歴史に通じている方、或いは皇室の法律に通じている人は二人半しかおられない。

中にはギリシャ哲学の専門家がおられて、学者の方は正直ですから記者会見で「どうして自分が選ばれたのか分からない」と正直にその心根を吐露されています。櫻井さんがご指摘のように昨年一月からわずか三十四時間で拙速に結論を出しました。三笠宮の仁親王殿下が、皇族のお立場を十分わきまえられて、そのご心情を吐露されました。誠にまっとうなご心情だと私は拝察いたしました。このことを記者会見で聞かれた有識者会議の座長―有識者といいますから、教養も知識も品格もなければならないと私は思っています―その座長が何と言ったか。「どうってことない」。こんな人が座長を務めている有識者会議は、本当の有識者会議なんでしょうか。今日お集まりの皆様方は、あの言葉に怒りを覚えられたと思います。

全世界探しても、連綿と百二十五代、万世一系、男系を守ってこられたご家系というのは、日本のご皇室をおいて他にありません。我々日本民族の大切な宝であり、世界の宝です。改革、改革と、口を開けば唱えている人がいますが、すべき改革は躊躇なく迅速にやるべきだが、守らなければならない伝統や文化は断固守って行かなければならない。本日のこの炎の力を全国に行き渡らせて、我々の守るべき伝統というものを、お互いの連携の中で守って参りたいと思います。

●各界からの意見表明

皇室は日本の民主主義の基礎

アフターブ・セット(前駐日インド大使、慶応大学教授)

私が最初に日本に来たのは昭和三十七年、慶応義塾大学で一年間留学生として勉強しました。その次の来日が大阪万博のときで、インド大使館に外交官として二年間勤めました。それから二十八年間を経た西暦二〇〇〇年に駐日大使として日本に参りました。そのとき『象はやせても象である』というタイトルの本を出しました。象とは日本のことです。どういうことかというと、当時は失われた十年の犠牲のあとで、日本人が自信を失っているときでした。しかし私は日本の歴史を少し勉強しましたから、まったく心配しなかったんです。きっとまた日本は上がって豊かな立派な国になると思っていました。

私は二〇〇二年九月、日本会議の主催で開催されたインド日本国交樹立五十周年記念式典においてラダ・ビノード・パール博士についてお話をさせていただく機会をいただきました。再びこうして皆様方と活動できることをうれしく思います。

日本の社会は「相談」と「一致」をその基礎として成長を続けてきました。何世紀にもわたり異なった文化や異なった意見が主張されましたが、常に意見の一致にいたっております。これはイギリスにおいてマグナカルタが築いた民主主義が始まる四百年前、即ち七世紀に、聖徳太子によって築かれた民主主義的伝統を基盤としています。インドはその何世紀も前、アショカ王によって民主主義の習慣が始まりましたが、日本の民主主義も古い伝統を持っています。そして皇族はこの意見の一致を形成する過程に不可欠の存在とされてきました。私は賢明な皇族に導かれた日本国民の叡智が国家の利益に適った結論に達する無難な方法を見つけることを疑いません。インド大使として日本に滞在した期間のみならず、大使をやめたあとでさえ、皇族の方々は私の家族に寛容で親切に接してくださっています。私共がインド日本国交樹立五十周年を祝した際に天皇皇后両陛下をはじめ、皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下、常陸宮同妃両殿下、仁親王同妃両殿下、高円宮同妃両殿下には、歴史に残る催し物にご来臨を賜わり、大変光栄に思っています。皇室制度や伝統の存続は私たち両文明を結ぶ確固とした友好関係の大変重要な象徴であります。

●各界からの意見表明

神風はなぜ吹いたか

金美齢(台湾総統府国策顧問)

私が今日ここでお話をする機会を与えられたのは、私が台湾人であると同時に心から日本を愛している人間だからだということだと思います。紀子様ご懐妊のニュースを聞いたとき、私は「神風が吹いた」と思いました。あの大戦のとき、私は小学生でした。台湾にいましたが、私は日本人としての日々を送っていました。紀元二千六百年という歌を歌ったり、「兵隊さんよ、ありがとう」という手紙を書いて慰問袋を出したりしました。必ず神風が吹くと信じて日々それを祈っておりました。しかしあのとき神風はついに吹きませんでした。どうして、今、その神風が吹いたのかな。ひょっとしたらこの皇室典範改定というのは、あの大戦の敗北よりも日本の根幹を揺るがす国家的危機なのではないかと思いました。ひょっとしたら私のように歴史も浅い、神話も持たない国、台湾の出身者である人間のほうが、一般の平均的な日本人よりも、もっと天皇陛下のご存在、皇室のご存在がどれだけ大切なのかということを身にしみて感じているのかもしれません。数年前、講演をしたある会場で「台湾には神話があるのですか。国の礎になる神話があるのでしょうか」と聞かれたことがありました。台湾には神話はありません。移民と植民、統治者がめまぐるしく変わった四百年の歴史しか持ちえません。私はそのとき、「私が歴史であり、私が神話です」と大見得を切りました。でも皆さん、私ごときが歴史であったり神話であるなんて社会は、皆を束ねて心を一つにするなんてことはあり得ないのです。

日本には世界に稀なる皇室があります。これは日本の宝物なんです。この宝物を壊すのは簡単です。一日で壊すこともできましょう。けれどもそれを持つためには、皆が理屈を超えて納得して示すことができるそういう存在をつくるには二千六百六十六年かかるのです。台湾はそういう存在が持てません。だから混乱の極みです。どうぞ、そういう国の二の舞は踏まないで下さい。どうぞ、皆さん、皆さんが持っている大切な宝物をしっかりと守っていってください。このたびの神風は、日本人の一人一人に対してしっかりとそれを考えていくことを促したのだと私は信じております。

●各界からの意見表明

父から息子への継承

ベン・アミ・シロニー(ヘブライ大学教授)

〈メッセージ〉

皇室の伝統を守る一万人大会にお招きいただいたことを、光栄に存じます。本日、この大会にご参集の皆様方が、皇室のご繁栄と存続について、深い思いと熱意を傾けておられますことに、心より敬意を表します。日本国のみならず、世界全体にとりまして、類まれなる大切な皇室がいっそう繁栄し、皇位継承の適切な解決策が見出されますことを、心よりお祈り申し上げ、ここに私の考えの一端をご披露させていただきます。

「現在、日本の皇室は、二千年以上続いた世界で唯一の存在である。これは世界の宝である。しかし、この地位は今、廃絶の危機にさらされている。廃絶されれば、それは日本だけでなく世界の大きな損失になるだろう。女系の皇統は、日本に存在したことがなく、これは天皇制の根本原理に矛盾する。皇位を男性が独占する制度は、男女平等の原則に反するが、伝統的で神聖な制度の場合には、これが広く受け入れられ、尊重されてきた。カソリック世界は、ローマ教皇が男性に限定されていることに対して異議を唱えることはない。ダライ・ラマは自由と正義の擁護者だが、この地位につけるのは男性だけだ。ユダヤ教の祭司は、三千年にわたり父から息子へと継承されてきた。女性のローマ教皇、女性のダライ・ラマ、女性のユダヤ教祭司を要求することなど、考えられない。私見を申し上げれば、日本政府は、男系皇位継承のように古くからある原則を廃止するという、過激な変革は急ぐべきではない。今の世代が、二世代も先の子孫たちに、結論を押し付ける理由など、どこにも見つからないからである。」

この度の『皇室の伝統を守る国民の会』が設立される意義は誠に大きなものがあります。どうぞ皆様方のご活躍とご健勝を、遠くイスラエルの地よりお祈り申し上げております。

●各界からの意見表明

仁親王殿下のご発言

加瀬英明(外交評論家)

天皇は日本の国家であり日本の歴史そのものです。ですから、いわゆる有識者会議が、日本の歴史観も国家観も論議しなかったというのでは、この報告書は全く読むに値しません。日本国憲法はそのときどきの政治の問題です。しかし二千年を超える悠久の歴史を持っている天皇というご存在は、政治ではなく文化の問題です。仁親王殿下が、天皇の問題は文化の問題であるとお考えになられ、有識者会議を批判されました。すると吉川座長は「どうっていうことはない」と言いました。あの有識者会議は皇室に対する尊崇の念を全く欠いているということが大きな問題です。女系を「容認する」という言葉は何ですか。国民が皇室より上にあるということを前提にした言葉遣いです。あの人たちは本当に全員が日本人なのだろうか、と考えますと、肌寒い思いがいたします。

かつて、近代中国の父といわれた孫文が「中国民族は砂のようだ」と言いました。砂のように国民がばらばらでまとまらない。それに対して日本は天皇陛下を戴いて国民がさざれ石が巌となるような国柄を保ってまいりました。日本の国柄は世界に類例のないものです。二千六百年以上にわたって続いた男系による皇位の継承は、文化の形です。この伝統を政治的な理由によって変えることは絶対に許されません。仁親王殿下のご発言によって、多くの良識ある国民が皇族のご意向に接して深い安堵の念を抱いたと思います。

殿下は昨年末にご自身が主宰しておられる福祉団体の機関誌にまずご自分の意見を述べられ、今年になって新聞や雑誌のインタビューにお応えになられました。これらのご発言がこのたび一冊の本として出版されました。『皇室と日本人』(明成社)です。この本のゲラ刷りが出た二日後に殿下は喉頭癌の手術のために入院されることになりました。殿下は、病院にゲラを持ち込んで赤を入れて下さいました。

日本は昭和二十年の夏に国体を護持しえて敗戦という未曾有の危機を乗り切りました。もし二千六百年以上にわたって続いた男系による皇位の継承が廃止されるということになりますと、日本は滅びることになってしまいます。殿下もそのような深い危機感を抱かれて、『日本の息吹』のインタビューの中では、殿下の父宮母宮も強く反対を説かれたことを明らかにされました。秋篠宮殿下、常陸宮殿下も男系による皇位継承を廃することに強い危機感を抱いておられると漏れ承っております。一日も早く仁親王殿下がお元気なお姿を私共の前に現してくださることをお祈りしたいと思います。

●各界からの意見表明

子供たちは知りたがっている!

関岡英之(ノンフィクション作家)

私は普段は理屈っぽい経済問題について書いたりしゃべったりしていますが、ご縁があって、都内の進学塾でお話させて頂く機会があります。

先日、私はその塾の小学六年生の子供たちに「日本の最初の天皇は何と言う人か知っていますか」と聞いてみたんです。すると、推古天皇、あるいは、仁徳天皇という答えが返ってくる。小学校の歴史の教科書では、古墳の写真の下に「前方後円墳(仁徳天皇陵)」と書いてある。しかし仁徳天皇とはどういう方で、そもそも天皇とはどういうご存在かという説明は一切ない。その次はいきなり聖徳太子が推古天皇の摂政となった、推古天皇は日本最初の女性天皇であるという説明です。つまり古事記が扱っている部分が歴史の教科書から丸ごと抜け落ちているのです。そこで、私が「推古天皇は第何代天皇かな?

三十三代目だよ。推古天皇の前に三十二人もの男性の天皇がいらっしゃった」という話をしますと、子供たちは「えーっ」と目を丸くして驚く。今の天皇陛下、何代目か知っているかな、百二十五代目だよ。そして私は、神社本庁作成の歴代天皇の系図を取り出して、「最初の天皇陛下は神武天皇様とおっしゃいます。そこから今の天皇陛下までずーっと一本の糸でつながっているんだ。おじいさん、お父さん、息子、孫、曾孫、玄孫と一つの家系でつながっているんだよ」と話すと、子供たちは夢中になって「見せて、見せて」と食いついてくるんです。私は、その子供たちの反応に驚きました。男の子たちは「すげぇー」と言いながらこれを見ています。女の子たちはただ黙ってこれを見つめています。

「これは受験やテストに出るわけじゃないよ」と言うと、「テストのためじゃないんです、ただ知りたいんです」とじっと訴えかけるような目で私のことを見上げてきます。私はそのとき思わず涙が出そうになり、ハッと悟ったのです。自分の国がどのようにして生まれてきたのか。どのようにして続いてきたのか、それを知りたいということ、この気持ちはおそらく人間が生まれながらに持っている本能であろう。また、歴史や伝統に対する畏れの気持ち、敬う気持ち、これまた人間としてごく自然な心情の発露ではないか。子供たちは歴史や伝統に興味がないわけではない。本当は知りたいんです。潜在的には教えてほしいと思っている。しかしそれがまったく教えられていないんです。これ程かわいそうなことがあるでしょうか。

学校が教えないのであれば、私たち親たちが直接子供たち孫たちに語りかけていかなければなりません。子供の興味を引くには工夫が必要で、例えばクイズ形式などいいと思います。最初の天皇は何という人か知ってる?

今の天皇陛下は何代目か知ってる?そしておもむろにこの歴代天皇の系図を取り出します。これによって子供たちの潜在的な歴史を知りたいという心が表に出て来て、伝統や歴史を重んじたい、敬いたいという心が芽生えてきます。それを十年二十年続けるんです。十年経てば今の小学生たちが成人して選挙権を持ちます。二十年経てば結婚して家庭を持ちます。こういった運動を粘り強く続けることによって、私たち日本人の魂、日本人の国民精神の中に、歴史や伝統、そして皇室を敬い、きちっと守り、次の世代へ語り伝えていく民族としての自覚が根付いていくのではないかと思います。

大会決議

我が皇室は、百二十五代、二千年以上にわたって断絶することなく男系によって皇位を継承し、その淵源が神話にさかのぼる世界に比類なき存在である。しかるに今般、政府は、「皇室典範に関する有識者会議」の報告に基づき、女系天皇の導入及び長子優先主義の採用という、皇位継承の伝統に重大な変更をもたらす皇室典範改正を行おうとしている。

幸いにも、本国会への皇室典範改正案の上程については、拙速な改定に反対する各界有識者および国会議員の声の高まりと秋篠宮家の御慶事を迎えたことにより、慎重な対応がなされるに至っている。

顧みれば戦後六十年にわたり、皇室制度にかかわる様々な課題は不問に付されたまま今日にいたっている。今回の皇位継承問題を始め、宮家の存続や拡充、皇族方の教育制度、皇室に課せられる相続税を始めとする皇室経済の問題、皇室関係法規の不備など、皇室制度にかかわる解決すべき課題は山積している。これらの諸問題を抜本的に検討し、万世一系の皇室を磐石ならしめることこそ、いま我々国民に課せられた責務である。

我々は、本大会をもって「皇室の伝統を守る国民の会」を設立し、過去に皇室の御慶事にあって様々な奉祝事業を推進してきた実績を踏まえ、皇室の伝統を守るために左の活動に取り組むものである。

一、万世一系の皇室の御存在の意義を踏まえ、男系による皇位継承を堅持すべく、具体的な提案を検討し提唱する。

一、皇室への敬愛の念を高めるため、政府に学校教育の内容充実を要望するとともに、来るべき天皇陛下御即位二十年奉祝事業など広範な国民運動に取り組む。

一、戦後六十年にわたり放置されてきた皇室制度の諸問題を抜本的に解決するため、皇室制度を検討する国会議員の会の設立を要望する。

右、決議する。

平成十八年三月七日

皇室の伝統を守る国民の会
八十六名の国会議員が来賓として参加(敬称略)

〈自民党衆議院〉赤池誠章、稲田朋美、今津寛、岩屋毅、宇野治、小川友一、奥野信亮、鍵田忠兵衛、北村茂男、木原誠二、木原稔、斉藤斗志二、柴山昌彦、島村宜伸、清水清一朗、下村博文、菅原一秀、薗浦健太郎、高鳥修一、戸井田徹、土井亨、土井真樹、西川京子、西野あきら、西村明宏、根本匠、萩生田光一、林潤、平沢勝栄、藤田幹雄、牧原秀樹、松本洋平、馬渡龍治、武藤容治、吉田六左ェ門、渡部篤〈自民党参議院〉秋元司、有村治子、泉信也、岩城光英、岡田広、狩野安、河合常則、鴻池祥肇、桜井新、佐藤泰三、山東昭子、中川雅治、中川義雄、中曽根弘文、二之湯智、水落敏栄、山内俊夫、吉村剛太郎〈民主党衆議院〉神風英男、鈴木克昌、田嶋要、田村謙治、中井洽、長島昭久、原口一博、平野博文、前田雄吉、牧義夫、松木謙公、松原仁、吉田泉、笠浩史、鷲尾英一郎〈民主党参議院〉岩本司、大江康弘、芝博一、鈴木寛、平田健二、広野ただし〈国民新党衆議院〉亀井久興〈国民新党参議院〉亀井郁夫〈無所属衆議院〉江藤拓、西村眞悟、平沼赳夫、古川禎久、古屋圭司、保坂武、保利耕輔、山口俊一〈無所属参議院〉松下新平

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