私達の平和宣言 令和2年8月6日 広島  第12回8.6広島平和ミーティングで、「平和と安全を求める被爆者たちの会」より発表されました。
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私達の平和宣言 令和2年8月6日 広島  第12回8.6広島平和ミーティングで、「平和と安全を求める被爆者たちの会」より発表されました。

私達の平和宣言 令和2年8月6日 広島  第12回8.6広島平和ミーティングで、「平和と安全を求める被爆者たちの会」より発表されました。

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               私達の平和宣言

                        令和2年8月6日 広島

  今も蔓延する新型コロナの脅威に加え、全国の豪雨災害で、我が国は国難のただ中にあります。その犠牲になられた方々に、私達は深い哀悼の意を表します。そして今日、改めて戦後日本の未曾有の困難を乗り越えた先人たちの足跡を想い、疫病の克服と災害からの復興を成し遂げたいと思います。

 先の先の戦争では昭和19年半ばから本土への無差別爆撃が本格化し、その数一千四十回以上、死傷者は百万人を超え、罹災者は九百七十万人にも達しました。そして75年前の今日、原爆の灼熱と爆風は広島の風景を一変させました。崩壊した建物、広漠たる瓦礫、黒焦げの屍体、体半分骸骨の亡骸、生き延びても、溶けて垂れ下がった皮膚、飛び出した眼球、助けを求め、当て所なく彷徨う黒い塊、それは人間であり私達の親であり兄弟でありそして我が同胞でした。  

 はっきりと名前を告げて死んだ少年、全身を覆う包帯の中から「アメリカの馬鹿野郎」と叫んだ者、母の眼の前で「死ぬのは覚悟しとったよ、お母ちゃんは泣いてはいけん」と最期の言葉を残した少年学徒、年末までには死者十四万人になったと言われています。

 最大多数の民間人殺害を目的にした爆撃、それを指揮した米国の将軍は言いました。「もし我々が戦争に負けていたら、戦争犯罪人として裁かれていただろう」と、我が国の戦後は、極東地域四十九箇所の、必ずしも公正ではない戦犯法廷で、日本人五千人の投獄と千人以上の処刑から始まりました。かかる国民への圧迫と犯罪的攻撃による荒廃した国土を前にして、私達の父や母、兄や姉たちは、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで、街の復興に全力を尽しました。家庭を築き、まだ幼い私達を育ててくれました。私達が今あるのはそのお蔭であり、目の前にはその見事な成果が広がっています。本当にありがとうございました。そして、非道に斃れた数多の魂の安らかならんことを祈ります。

 現在に生きる私達は、皆様の成された渾身の努力を継承しなければなりません。そのためには、現実の国際政治の中で、我が国の平和と安全を守ることが絶対に必要だと確信します。

 今日、北朝鮮は核兵器を実用化して我が国を威嚇しています。中国は軍備の大増強と南シナ海の違法な七つもの人工要塞によって、周辺諸国を圧迫しています。また、尖閣諸島への領海侵犯を繰り返して侵略の正当化を狙っています。沖縄諸島全体も標的となりました。これは中国が西太平洋全域に覇を唱える第一歩です。ロシアによる隣国侵略と領土の併合に直面した欧州諸国は軍事的対抗に踏み切りました。我が国が新冷戦の東側最前線に位置する時代が来たのです。

 過去数十年の交易による相互依存関係は、平和と友好の期待とは裏腹に、中国の軍事的台頭を後押ししました。我が国の「平和主義」的心情とは正反対の姿です。平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、人や技術や経済の交流をすれば、温かく平和な世界が訪れるに違いない、こう思い込んできた「戦後平和主義」、それ自身が問われてはいないでしょうか?

 今は辛くとも厳しくとも、あの原爆を投下した米国との同盟以外に、我が国が当面の平和と安全を保持する道がありません。しかしながら、三年前の「核兵器禁止条約」以来、我が国も条約に加盟するのが戦後の平和主義に叶い、被爆者の願望だ、と言われています。しかし、私達も紛う方なき被爆者と被爆二世として反論します。その条約は日米同盟を揺るがし、我が国の安全を脅かすかもしれません。核保有国が加盟しない条約が核兵器を無くせるでしょうか?憲法の平和主義だけで我が国は平和でしょうか?私達の平和には、自ら守る意思と能力を、他国と同様に備える必要があると思います。私達は、そうした断固とした努力によってこそ、過ちを繰り返させない確固たる平和と安全を確保できると信じます。

                             平和と安全を求める被爆者たちの会

  

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