政府による天皇陛下の「政治利用」に断固抗議する

政府による天皇陛下の「政治利用」に断固抗議する

政府による天皇陛下の「政治利用」に断固抗議する

皇室

■民主党政権は、いつから中国の傀儡になったのか!

平成21年12月14日

天皇陛下と外国要人 の会見には一カ月以上前に申し入れるという「一ヶ月ルール」がある。政府はこの慣例を破り、天皇陛下と習近平・中国国家副主席の会見を強引に進めた。この 問題に対して十二月十四日、日本会議国会議員懇談会、日本会議の役員など二十数名が、緊急役員会を開催、記者会見で「特例会見」の中止を求めた。

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神道政治連盟国会議員懇談会、真・保守政策研究会(両会とも会長=安倍晋三衆院議員)と合同で会見を行い、「政府による天皇陛下の政治利用に断固抗議する」緊急声明を発表。出席議員から「会見の中止を」「内閣は即刻辞職せよ」と、政府に対する抗議の声が相次いだ。

「これは朝貢外交だ」平沼赳夫日本会議国会議員懇談会会長(真・保守政策研究会最高顧問)は、「中国側が、『天皇陛下と会見できなければ訪日の意味が無い』と言っていたそうだが、これを日本国政府が呑んだということは政治判断が働いたということだ。我が国の憲法にあるように、天皇は国民統合の象徴である。この三団体のみならず、国民の各界各層が反対を表明すべきだ。明日十五日の会見を止めていただきたい」と強く要望。
藤井孝男参院議員は、「日本国および日本国民統合の象徴である天皇陛下の尊厳を守るということは重要なことである。政治的中立性・公平性を確保する点からも必要なことである。歴代内閣はこれを厳粛に守ってきたが、今回、政治利用されたということは天皇陛下の尊厳、日本国の尊厳に関わる問題である」と述べた。
下村博文衆院議員は、「小沢幹事長が百四十三人の国会議員を引き連れて、胡錦濤国家主席と一人ひとりが握手して、写真撮影をしたそうだが、それで習副主席との会見を約束したなら、朝貢外交そのものだ」と批判。

「これは大御心に沿わない外交高市早苗衆院議員は、「『一ヶ月ルール』を無視して中国だけに特別の会見を押し込んだ鳩山政権は、今後に重大な禍根を残す。他国が同様に申し入れてきた場合、鳩山内閣はどうするのか。
陛下の、平等公平に幅広い国と親善を深めたいとの大御心に沿って続けてきた親善のあり方を変えた」と懸念を表明。
稲田朋美衆院議員は「これは日本政府が陛下を政治利用しただけではなく、習副主席の政治的地位向上のために、中国が我が国の天皇陛下を利用することを、日本国政府が認めたという問題だ」と指摘した。

●「特例」会見までの流れ

11月26日 外務省が宮内庁に会見を打診
11月27日 宮内庁「一ヶ月ルール」で断る
12月 7日 首相の指示で、平野官房長官が羽毛田宮内庁長官に特例の要請
12月 9日 崔駐日大使、小沢幹事長と平野長官に協力要請
12月10日 小沢訪中団、一四三名民主議員が北京で胡錦濤国家主席と会見。平野長官が羽毛田長官に再要請
12月11日 政府、天皇陛下と習近平国家副主席との会見を正式発表羽毛田宮内庁長官、「陛下の政治利用」への懸念を表明
12月14日 小沢幹事長、羽毛田長官を批判。
12月15日 天皇陛下、習近平副主席と会見


●民主党小沢幹事長の発言録
・天皇陛下の行為は、内閣の助言と承認で全て行われる。宮内庁の一役人が政府の方針をどうだこうだと言うのは、憲法の精神、理念を理解していない人間の発言。
・(宮内庁長官は)どうしても反対なら、辞表を提出した後に言うべきだ。
・天皇陛下の体調がすぐれないというのならば、それよりも優位性の低い行事をお休みになればいい。
・天皇陛下ご自身に聞いてみたら、手違いで遅れたかもしれないけれども、会いましょうと必ずそうおっしゃると思う。
(12月14日定例記者会見の主な部分を掲載)

◆声明文  政府による天皇陛下の「政治利用」に断固抗議する

政府は十二月十一日、十四日来日する中国の習近平国家副主席が、十五日に天皇陛下に会見すると発表した。外国要人が天皇陛下との会見を望む場合には、一ヵ月前までに文書で正式に申し込むという確立した「一ヵ月ルール」が存在する。それを破って行われようとする今回の会見は、鳩山首相自らこのルールを破り、中国側の強い要請を受けて現政府が政治主導で実現しようとする異例な措置である。
この特例措置について、鳩山首相は、「一ヵ月ルール」を「しゃくし定規で駄目だというようなことで国際親善の意味で正しいのか」と疑問を呈し、今回は「政治利用という言葉は当たらない」と発言した。はたして今回の措置は、そう断言できるのか。
中国からの要請は十一月二十六日とされており、日本外務省は「一ヵ月ルール」を理由に会見を断った。しかし中国側は納得せず「習副主席訪日の成否がかかっている」となおも会見を要求し、首相は、会見の実現に向け平野官房長官を通じて、宮内庁側に「日中関係の重要性」の一点張りで会見を求めたとされる(羽毛田長官の発言)。国際親善のみが目的なら、常識的に考えてこのような要求を強引にするであろうか。「訪日の成否がかかっている」とまでいうのは、何らかの政治的意図があるからこその中国の強引な要求であり、それを敢えて官邸が受け入れた「政治判断」もまた、天皇会見の「政治利用」にほかならない。
従来、現実の国際政治を超えたところで行われる皇室の友好親善は、国の大小に関わらず、公平平等に行われてきた。また、この「一ヵ月ルール」は、ご多忙な中で準備をなされなければならない天皇陛下の健康面を配慮して、前立腺がんの摘出手術を受けられた後の平成十六年以降、世界の国々の理解のもと、厳格に運用してきたものである。一度でも、中国のみへの特例を認めることになれば、他の国々から同様の要求がなされた場合、政府はどのように対応するのか。その度に、陛下にご負担をおかけするのか。天皇陛下は、外国ご訪問や外国要人とのご会見にあたっては、細心の準備で臨まれ、相手国との友好親善を図ってこられた。こうしたご努力を通して世界各国の友好親善が大きく進展してきたことは周知の事実である。
今回の政府の行為は、強引な中国政府の要求をルールを破って唯々諾々と受け入れ、陛下のご健康を顧みず、これまでの天皇陛下の国際親善へのご努力を軽んじ、天皇陛下を「政治利用」しようとする以外のなにものでもないと断ぜざるを得ない。
ここに我々は、政府に強く抗議するとともに、直ちに会見の白紙撤回を求めるものである。
平成二十一年十二月十四日
日本会議国会議員懇談会 会長 平沼赳夫
日本会議 会長 三好達

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