首相の靖国神社参拝問題をより深く理解するために
日本会議 > オピニオン > 靖国 > 首相の靖国神社参拝問題をより深く理解するために

首相の靖国神社参拝問題をより深く理解するために

首相の靖国神社参拝問題をより深く理解するために

靖国

Q1:何故、日本の神社は死者を祀るのですか?
Q2:靖国神社には、どういう人々が神として合祀されていますか?
Q3:一般市民の犠牲者はどのように扱われていますか?
Q4:千鳥が淵墓苑と靖国神社とはどう違いますか?
Q5:どのように合祀されるのですか?
Q6:参拝の宗教性との関わりは?
Q7:政教分離を定めた日本国憲法20条に違反していると言われています。
Q8:中国や韓国は、靖国がA級戦犯を合祀しているのが問題であるといっています。
Q9:中国と韓国の宗教と日本の宗教との違いは何ですか?
Q10:日本と、中国・韓国の死生観の違いが何か影響していますか?
Q11:そうであれば、中国は永久に靖国参拝を拒否するのですか?
Q12:日本国内の反体制グループは何故、戦犯を参拝すると非難するのですか?
Q13:中国は国内統治のために日本を利用しているということですか?
Q14:中国・韓国と日本との摩擦の根源は何ですか?

●首相の靖国神社参拝問題をより深く理解するために

皆さんはアメリカの戦歿者墓地であるアーリントン墓地のWEBページをご覧になったことがありますか。その序文は次のように書かれています。

「霊所は信者がそこに記念された人、ものあるいは概念を拝む場所であるという意味で、霊所という言葉は宗教的あるいは霊的である何かを意味します。霊所はまた、その重要性が時間とともに変わるかもしれない公的な(特に壮大な)建築物といった、有形のものである傾向にあります。年老いた人々や古くなった物の見方は死に、新しいものがそれらに取って代わるとともに、その具体的構造に関連する初めの所感は、有力な一般民衆の見解としばしば一致(提携)して、変化するかもしれません。
アーリントンが持っている公のスペースが、アメリカにあるほとんどのものより長く、かつその持続し卓越した存在のうちに存在したがゆえに、それは、多くの人々に対する多くのシンボルを反映しました。もし量が最高の基準というなら、それは国の最も神聖な霊所であるのはもっともです。」 (以上、アーリントン墓地のWebページから)

この序文は普遍的な霊所についての定義であり、世界のどの国家も、国家ないしは民族のために命を捧げた英霊を一般国民が祀るための場所を用意し、国家として慰霊追悼行事を行っています。

日本も例外ではありません。近代日本を造ろうと130年前に政治的に日本を統一した際の内戦の犠牲者を祀るため、最初の施設が「東京招魂社」として(1869年に)設立されました。その後「靖国神社」と名称を変更し、主に軍務に就いて、日本の発展のために殉難した人々を合祀しています。従って「靖国神社」は、世界のどの国にとっても必要な「国家の最も神聖な霊所(Nation’s Most Sacred Shrine)」の定義に一致しています。

米国のアーリントン墓地への参拝と靖国神社への参拝はまさしく同質です。それは国の礼儀であり、魂を尊重する行為だからです。

以下、靖国神社の参拝問題とは何なのか、FQA(frequent Q&A)形式で説明しましょう。

Q1:何故、日本の神社は死者を祀るのですか?

A:大多数の日本国民が信仰する宗教は伝統的な原始シャーマンから発展した神道、儒教、仏教のいずれかです。キリスト教に代表される一神教との決定的な違いは、いずれも精霊崇拝を受け入れていることです。本地垂迹説で説明されるように、日本の伝統宗教は八百万の神を産み出し、死者もあまねく神として祀ります。

それぞれの神社は祀る人に特徴があります。靖国神社の場合は、軍務に関与して死んだ人を専門に神として祭っています。

Q2:靖国神社には、どういう人々が神として合祀されていますか?

A:「戦時または事変において戦死、戦傷死、戦病死もしくは公務殉職した軍人、軍属、およびこれに準ずる者」が原則です。現在、靖国神社には、1860―70年代の内戦の戦没者や殉難者、日清、日露戦争の戦没者、大東亜戦争の戦没者など、二百四十六万人を越える殉難者が合祀されています。この中には、女性5万7千余柱、朝鮮人2万1千余柱、台湾人2万8千余柱を含んでいます。今でも、新たに身元が判明した戦死者の遺族から合祀の依頼が続いています。

Q3:一般市民の犠牲者はどのように扱われていますか?

A:なんらかの形で国のための任務を与えられていたか否かという点が、合祀を行う対象を決める上での判断基準となっています。第二次大戦における米軍の空襲による犠牲者などは一般的に含まれません。しかし、犠牲者が勤労学徒として動員された場合や、強制疎開などの移動中に亡くなった場合などは合祀されます。

例えば、沖縄から鹿児島へ強制疎開する途中、撃沈された輸送船に乗っていた生徒達、ひめゆり部隊や従軍看護婦、終戦後、ソ連軍の侵攻を内地に通報し命を絶った樺太真岡の電話交換手達、ソ連軍の侵攻で虐殺された満州開拓の従事者といった人々も祀られています。

Q4:千鳥が淵墓苑と靖国神社とはどう違いますか?

A:千鳥が淵墓苑は無名戦士戦歿者の墓です。ここには、犠牲者の姓名が不明なため、遺族が判明しない無名戦士の遺骨が納められています。それに対し靖国神社には遺骨は無論のこと位牌も納められていません。遺骨については各家族が家族の墓地に納め、また位牌はそれぞれの遺族が主に家庭の祭壇で祀っているのが一般的です。従って、靖国神社には戦没者が神として合祀されているだけです。

Q5:どのように合祀されるのですか?

A:合祀の要請があった故人の名前を出身地とともに霊璽簿に記載し、ご神体と一体化させる儀式を経て、合祀されます。

Q6:参拝の宗教性との関わりは?

A:慰霊や宣誓というものは、必ず宗教性がともないます。

靖国神社は外国から見た場合、靖国「神道」神社という意味で、当然、日本固有の宗教性を保持しています。

一方、米国大統領が大統領職の就任宣誓で神に誓ったり、復活祭やクリスマスを休日にするのはごく自然なことと世界中の人に認識されており、これらの行事が宗教と深く関連しているのは言うまでもありません。

先のクリントン米大統領が再選された後の宣誓式では、大統領はイザヤ書58章12節を開いて宣誓しました。このページによって新しい任期では「破れを直す者」という指針を決意したのです。

Q7:政教分離を定めた日本国憲法20条に違反していると言われています。

A:1945年までは靖国神社は戦意を煽る「国家神道」であったとして、その後政府の管理下を離れて一般宗教法人に変わりました。従って、今は民間組織です。そして厚生省から発行される戦死者名簿に従って、靖国神社が自分で合祀するかどうかを決定します。

「政教分離を定めた日本国憲法20条に違反している」というのは誤解で、1977年の最高裁の判決で、神道による儀式が他の宗教への干渉にならない限り、問題はないことが明確になっています。また政府も問題が無いとの見解を発表しています。

厳密に政教分離を適用するなら、例えば宗教法人が経営するいかなる学校も、特定の宗教を信奉する私立学校も政府からの補助は禁止されて経営が困難になります。

もっと大きな問題は政府主催で毎年8月15日に戦歿者追悼式を行っていますが、菊の花に囲まれた祭壇の中央に依り代が飾られていますが、これは儒教形式であり、位牌に相当します。これに霊が呼ばれて憑くのです。もちろんいわゆるA、BC級戦犯も含まれています。

完全に宗教的行事ですが、天皇陛下始め、首相、閣僚、衆参両院議長、最高裁判所長官などが参列しています。

政教分離やA級戦犯合祀を理由に靖国への参拝に反対する政党からもその代表が参列しているのは矛盾しています。

Q8:中国や韓国は、靖国がA級戦犯を合祀しているのが問題であるといっています。

A:以下にこれらが問題になった背景、民族性が原因となった誤解、解釈の歪曲等について明らかにします。

Q9:中国と韓国の宗教と日本の宗教との違いは何ですか?

A:中国と韓国の宗教は極めて儒教に影響を受けているか、あるいは儒教そのものです。特に韓国では二十世紀初頭まで儒教が国教でした。儒教は、通常倫理性(礼性)だけが注目され、生命論を持った宗教性が注目されていません。一方、日本の宗教は儒教と仏教の混合です。

両者の決定的な違いは、日本人は死者については敵も味方もなく「死後は神になる」として平等に扱うという寛容の精神を持っているということです。味方だけではなく、敵側の犠牲者も英霊として祭るのは日本人の伝統的精神の一つです。例えば、日露戦争のロシア兵戦死者に対しても慰霊碑を建て、慰霊しています。これはアメリカの南北戦争も、スペイン内戦の戦死者への合祀も同じ精神です。

1945年4月、ルーズベルト大統領が逝去した時、ヒトラーは狂喜しましたが、鈴木貫太郎首相はアメリカ国民に向けて弔意を表す談話を発表しました。これが日本の精神文化です。J. F. ケネディ大統領が暗殺された時、中国は欣喜雀躍し、ケネディが血だらけの地面に這いつくばって流れる血をなめている風刺漫画を掲載し、揶揄したと言われています。

ところが、中国人と韓国人は、敵に対して絶対不寛容です。敵に対しては(「生きてその肉を喰らい、その皮で寝る」ことを願うほど憎みぬき、)死後は「その魂を喰らう」とまで誓うほど、敵は永遠に敵です。これは中国人の代表的死生観であり、伝統文化でもあります。

(参考:China Wakes, by Nicholas D. Kristof, Sheryl Wudunn and other books)

Q10:日本と、中国・韓国の死生観の違いが何か影響していますか?

A:儒教の死生観では、死とは人間の精神を司る「魂」と、肉体を司る「魄」が分離することです。「魂」は中空を漂い、さ迷っていると信じられています。それが合体すれば、死者が蘇ります。それを防ぐためには、墓を暴き、死体を破壊しなければ、安心できないのです。「招魂」という言葉は中国人にとって特別な意味を持ちます。中国人にとって日本が戦歿者を慰霊するということを「日本が軍国主義を復活させようとしている」という意味に使っているのです。

「靖国」とは「国をやすらかにする」ことであり、穏やかで安定した平和がいつまでも続く国をつくろうという日本の祈願を、中国は捻じ曲げて、死者を祀ることが「日本は軍国主義を復活させようとしている」という問題にすりかえています。

靖国神社参拝で「軍国主義の亡霊が蘇る」というのも、中国人からしてみれば、現実的な恐怖でしょう。首相の参拝によって、戦犯たちの「魂」が励起され、それが墓の遺骨と合体すれば、まさしく中国人が恐怖する日本の軍国主義の亡霊が蘇るからです。

Q11:そうであれば、中国は永久に靖国参拝を拒否するのですか?

A:中国人はいまでも日本に対する復讐が終わっていないと本気で考えています。子々孫々の代まで憎み続け、復讐しなければならないという掟は中国の文化そのものです。善悪の二者択一という決めつけの思考しか存在せず、報復主義を主張する「勧善懲悪」の儒教倫理が中国文化の中核です。他者に対する独善的な強制のみです。

「勧善懲悪」の思想の背景には、道徳第一主義の中華思想があり、日本に対する民族的優越感があります。日本の悪を懲らしめるには、当然、「戦犯合祀」の靖国神社の参拝に反対しなければならないのです。

Q12:日本国内の反体制グループは何故、「戦犯」を参拝すると非難するのですか?

A:1068名の連合国によって「戦犯」とされ、処刑された人々を、戦死者として扱ったうえで靖国神社に合祀したことへの批判は、政治的意図を背景にしたあら探し、こじつけ論です。

靖国神社が、敵味方なく、たとえ連合国からみて「戦犯」であろうと「死ねば神」の精神を堅持する護国神社である以上は、論議すること自体おかしいのです。

政教分離を理由として公式参拝に反対する宗教団体や市民団体等がありますが、その反対はそうした宗教の排他的特質によるものです。またここでいう市民団体とは市民団体に名を借りた反政府団体です。

1952年に日本が独立を回復した後、「戦犯」とされ、独立後も連合国の刑務所などに拘束されていた人々を解放する4000万人署名運動が起こされて徐々に戦犯を保護するよう各種法律も変えられました。国内法のもとでは、講和独立後、いわゆる戦犯はもはや戦犯ではなく、戦犯として処刑されてしまった方々の遺族も一般の戦歿者の遺族と同じ扱いを受けています。

Q13:中国は国内統治のために日本を利用しているということですか?

A:敗戦国の日本が経済大国になりましたが、革命を成功させ、社会主義大国の建設をめざす中国では、粛清と貧困のため何百万、何千万という人が犠牲になっています。この結末を民衆に説明できない以上、日本の「過去の侵略」や「日本軍の虐殺」を誇大宣伝して、みずからの非を日本に責任転嫁し、民衆の目をそらさなければならないのです。

共産党の人民政府は日本から戦争賠償を取り損ねたと、中国民衆に思わせており、怨みは骨髄に入るといったところです。

Q14:中国・韓国と日本との摩擦の根源は何ですか?

A:中華史観と日本史観の基本的対立の根源は(このような)死生観の違いにあります。靖国神社参拝をめぐる日中の対立の本質は、「死ねばみな神となり、敵も味方もなくなる」という日本の精神と、「末代まで憎しみ続ける」という中国の精神文化との摩擦です。

中国は18世紀末以来、文化大革命に至るまで、ずっと内戦と内訌に苦しんできました。その間の、戦乱にともなう億単位の無名の犠牲者には何の魂の救済も無く、遊魂がむなしく漂い、中華世界の大地には実に怨霊の怨みつらみが漲っているのです。

日本は開国維新以来、国づくりのために犠牲になった人を英霊として靖国神社に祭っています。政府高官が国のために犠牲になった英霊に参拝するのは、国を愛し、誇りにする者ならば当然の行いです。

どこの国でも自国の文化を守ることは当たり前のことであって、是非の論議すら成立しません。国家に殉じた者を慰霊するのは、国家の義務であり、責任でもあります。ぎりぎりまで守らなければならない儀礼です。

一方的な価値観、歴史観の押し付けとそれへの迎合は友好でもなんでもないと言えます。

日本会議国際広報委員会翻訳顧問 渡邉 稔

このページの先頭へ

Copyright © Japan Conference. All rights Reserved.