[憲法]戦争に反対であるからこそ、憲法改正を(平成29年5月19日)
日本国憲法施行70年
= 自衛隊を憲法に明記するときが来た =
「認定NPO法人日本を美しくする会」相談役
鍵山 秀三郎 かぎやま ひでさぶろう
昭和8年東京生れ。自動車用品会社「イエローハット」を創業し一代で上場企業に。平成21年退社。「凡事徹底」を信条とし、創業以来続けた「掃除」に多くの人々が共鳴し、創唱した「日本を美しくする会」の活動は国内外に広がっている。著書に『凡事徹底』『鍵山秀三郎語録』『日々これ掃除』など多数。
■ 「どっちが正しいか」ではなく、「何が正しいか」の議論を!
夏目漱石の小説に「空(から)の盃(さかずき)の献酬(けんしゅう)」という表現が出てきますが、いまの国会を見ていると正にこれだなあと落胆をするばかりです。
森友学園の事や一大臣の発言の揚げ足取りに多くの時間を割く余裕などいまの日本の国会にはないはずです。もし森友学園が法に触れるようなことをしているとするならば司直の手に委ねるべきであって、国会で解明するようなことではないはずです。
以前、ある国会議員にも申し上げたことがありますが、「どっちが正しいか」の議論ではなく、「何が正しいか」の議論をなすべきです。そうすれば与野党間にも何らかの一致点も見えてくるはずです。そして、大切なのは政府や国会が取り組むべき重要課題の最優先順位は何であるか、この原点に立ち返ることです。それは日本という国が未来、子々孫々に至るまで存続し、国民が平和で安全な生活を送れるようにすることではないでしょうか。
その大前提としてぜひともなくてはならないもの、それは国民一人ひとりが国を守る意思を確固として持つことです。
■ ライシャワー氏の警告
かつて、米国のライシャワー元駐日大使は、帰国後、日本人記者団を前にした講演で次のようなことを述べています。
「アメリカがベトナム戦争敗北で学んだことは、その国の国民が自分の国(南ベトナム)を守ろうとしなければ、いかなる精鋭部隊や最新兵器を投入してもその国を守ることはできないということだ」。
これは日本への警告です。
戦後久しく、我が国では、国防ということはタブー視されてきました。自衛隊という組織はあっても憲法でその存在を否定するかのような条文があるため、自衛隊は長く日陰者扱いされてきました。学校で自衛隊員の子供たちが日教組の教師から「お前の父親は人殺しか、戦争屋か」とひどいことを言われたりもしたのです。
■ 「ありがたい」という心底からの思い
しかし、時代は変わりました。
誹謗中傷にも耐えて日夜黙々と日本を守るために活動してきた自衛隊の姿が、国民の目にもはっきりと見えてきたのです。
PKOや災害派遣活動も含め、自衛隊の清々(すがすが)しいまでの秩序ある活動が国家、国民の安全を守ってきたということが、国民の間に広く認知されるようになりました。この誠意ある組織を信じるときがきたのです。
平素から体力、精神力、技術力を鍛え、警戒監視を怠らず、いざというときはスクランブル発進など日夜国を守る活動に従事している自衛隊のお陰で、私たちは日々の日常生活を安泰に送ることが出来ている。このお陰に対する感謝の気持ち、これを忘れてはいけない。「ありがとうございます」と感謝の意思表示をすることは大切だけれども、それ以前に、国民一人ひとりが心の中で「ありがたい」という心底からの思いを抱いているか。そのことを私は皆さんに問いたいと思います。
東日本大震災や熊本地震など被災地の方々は、そのことを身に沁みて感じていると思います。また、PKOなど海外で活動した自衛隊が帰国するとき、現地の人々は心の底からそう思っていてくださることがよく伝わってきます。今回のスーダンもそうですし、かつてのイラクもそうでした。現地の人々は自衛隊の活動を「ありがたい」と心底思い、「残ってほしい」と切実に願ったのです。
このように世界の人々からも信頼される自衛隊を、本国の私たちが憲法に明記せず、その存在が憲法違反の恐れがあるなどと憲法学者に言わせるような不安定な状態に置いたままでいいのでしょうか。そのことによって、いかに自衛隊の正当な行動に足枷を課せられてきたことか。
■ 自衛隊を憲法に明記するときが来た
そもそも戦後久しく宣伝されてきた「自衛隊=戦争」とする短絡的な考え方そのものが誤っていました。私も戦争を経験した世代です。空襲で家を焼かれ、山の中の疎開生活で悲惨な体験をしました。だから戦争には反対です。戦争に反対であるからこそ、戦争から日本を守るために憲法を改正すべきなのです。
海洋覇権を目論み、南シナ海や尖閣諸島海域で横暴を極める中国、拉致被害者を帰さず、ミサイル発射を連発し核開発を進める北朝鮮、反日教育を進める韓国、北方領土に最新鋭ミサイルを配備するロシアなど我が国周辺の国際情勢はますます厳しさを増しています。
このようなとき、憲法にその存在が明記されていないがために、様々な足枷を課せられてきた自衛隊のままでいいはずがありません。
そのままでいいと一番思っているのは、この日本を自分たちのものにしよう、あるいは意のままにしようと虎視眈々と狙っている国々です。
自衛隊は隊員の質も技術も一流です。組織としての練度、団結力は他国の軍隊に引けを取りません。その自衛隊の力を中国などは内心恐れているのです。自衛隊を強くするのは日本国民の支持です。だから、歴史問題を持ち出し、靖國神社参拝を妨害することで、日本国民の国を守る意思を弱め、自衛隊への支持力を弱めようとしているのです。
私は8月15日に100万人の国民が靖國神社に参拝するようになれば、中国などはもう何も言ってこなくなると思います。国民の国防への意思をしっかりと示すことこそが抑止力となるのです。
チベットやウイグルや内モンゴルの人々の悲痛な叫びを聞くたびに胸が痛みます。しかし、もし憲法改正をせずに、優秀な自衛隊を束縛し続けるならば、私たちの子孫がそのような悲惨な目に遭うかもしれないという覚悟をいま、私たちは持たねば国は危ういのです。
今年5月3日は日本国憲法施行70年ですが、70年もの長い間、国家の基本たる国防について国民一人ひとりが真剣に考える機会をあまり持たなかったことで、事態はそこまで切迫してしまったのです。私は、断乎として速やかなる憲法改正を主張いたします。
安倍首相「9条に自衛隊明記」「子どもたちこそ、我が国の未来」(メッセージ全文)(平成29年5月8日)
憲法記念日の3日、全国各地で憲法改正を訴える集会が開かれました。
東京・永田町で開催された「第19回公開憲法フォーラム」(共催:民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会)には、自民党の古屋圭司衆議院議員、公明党の遠山清彦衆議院議員、日本維新の会の足立康史衆議院議員が登壇し、櫻井よしこ氏のコーディネートで今後の国会審議の進め方や改憲テーマについて、熱心な議論を行いました。また、この行事には安倍晋三自民党総裁がビデオメッセージを寄せ、憲法9条の改正や、公教育への国の責任について踏み込んだ発言を行うとともに、東京五輪が開催される2020年を目標として憲法改正を実現していきたいと抱負を述べました。
東京会場には「日本のこころ」の中山恭子参議院議員ら在京の国会議員をはじめ、従来よりも多い1150名の参加者を得るとともに、全国約40カ所に同時中継されました。
第19回公開憲法フォーラム(5月3日)
安倍晋三自由民主党総裁メッセージ全文
◇ ◇ ◇
ご来場の皆様、こんにちは。「自由民主党」総裁の安倍晋三です。
憲法施行70年の節目の年に、「第19回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まずもって、お慶びを申し上げます。
憲法改正の早期実現に向けて、それぞれのお立場で、精力的に活動されている皆様に、心から敬意を表します。憲法改正は、自由民主党の立党以来の党是です。
自民党結党者の悲願であり、歴代の総裁が受け継いでまいりました。
私が総理・総裁であった10年前、施行60年の年に国民投票法が成立し、改正に向けての一歩を踏み出すことができましたが、憲法はたった一字も変わることなく、施行70年の節目を迎えるに至りました。
憲法を改正するか否かは、最終的には、国民投票によって、国民が決めるものですが、その発議は国会にしかできません。私たち国会議員は、その大きな責任をかみしめるべきであると思います。
次なる70年に向かって日本がどういう国を目指すのか。今を生きる私たちは、少子高齢化、人口減少、経済再生、安全保障環境の悪化など、我が国が直面する困難な課題に対し、真正面から立ち向かい、未来への責任を果たさなければなりません。憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです。
私たち国会議員は、この国の未来像について、憲法改正の発議案を国民に提示するための、「具体的な議論」を始めなければならない、その時期に来ていると思います。
我が党、自由民主党は、未来に、国民に責任を持つ政党として、憲法審査会における、「具体的な議論」をリードし、その歴史的使命を果たしてまいりたい、と思います。
例えば、憲法9条です。今日、災害救助を含め、命懸けで、24時間、365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く、その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。
しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が、今なお存在しています。
「自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」というのは、あまりにも無責任です。
私は、少なくとも、私たちの世代の内に、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきである、と考えます。
もちろん、9条の平和主義の理念については、未来に向けて、しっかりと、堅持していかなければなりません。そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値するのだろう、と思います。
教育の問題。
子どもたちこそ、我が国の未来であり、憲法において、国の未来の姿を議論する際、教育は極めて重要なテーマだと思います。
誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる「一億総活躍社会」を実現する上で、教育が果たすべき役割は極めて大きい。
世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、経済状況にかかわらず、子どもたちが、それぞれの夢に向かって頑張ることができる、そうした日本でありたいと思っています。
70年前、現行憲法の下で制度化された、小中学校9年間の義務教育制度、普通教育の無償化は、まさに、戦後の発展の大きな原動力となりました。
70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した現在、子どもたちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育についても、全ての国民に真に開かれたものとしなければならないと思います。
これは、個人の問題にとどまりません。人材を育てることは、社会、経済の発展に、確実につながっていくものであります。これらの議論の他にも、この国の未来を見据えて議論していくべき課題は多々あるでしょう。
私は、かねがね、半世紀ぶりに、夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきました。
かつて、1964年の東京五輪を目指して、日本は、大きく生まれ変わりました。その際に得た自信が、その後、先進国へと急成長を遂げる原動力となりました2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっています。
新しく生まれ変わった日本が、しっかりと動き出す年、2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい、と強く願っています。
私は、こうした形で国の未来を切り拓いていきたいと考えています。本日は、自由民主党総裁として、憲法改正に向けた基本的な考え方を述べました。
これを契機に、国民的な議論が深まっていくことを切に願います。自由民主党としても、その歴史的使命を、しっかりと果たしていく決意であることを改めて申し上げます。
最後になりましたが、国民的な議論と理解を深めていくためには、皆様方、「民間憲法臨調」、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のこうした取組みが不可欠であり、大変心強く感じております。
憲法改正に向けて、ともに頑張りましょう。
5月3日各党は具体的な憲法改正原案の提案を!決議文全文(平成29年5月8日)
民間憲法臨調と美しい日本の憲法をつくる国民の会では、5月3日に開催した第19回
公開憲法フォーラムの中で「憲法改正原案を提示して国会における合意形成を図り、憲法
改正の国会発議および国民投票の実施」を求め声明文を採択しました。
この声明文は、両団体から、自民党、公明党、維新の3党に手交されました。
声明の全文は以下の通りです。
◇ ◇ ◇
憲法施行七十年、各党は具体的な憲法改正原案の提案を!
日本国憲法が施行から七十年を迎えるにいたった。この間、わが国ではただの一度も憲
法が改正されることはなかった。衆参両院でそれぞれ総議員の三分の二以上の賛成がなけ
れば、憲法改正の是非を国民に問う発議すらできず、しかも国民投票を不可欠とする世界
でも類例のない厳しい条件が課せられているからである。
その意味で昨年七月の参議院選挙では、戦後史を画する重大な政治選択がなされた。衆
議院に引き続き、参議院でも憲法改正に前向きな諸政党が憲法改正の発議に必要な三分の
二以上の議席を占めるにいたった。
現在、わが国を取り巻く内外の情勢は大きく変貌している。北朝鮮による度重なる弾道
ミサイルの発射は、核開発とも相まって、わが国のみならず世界の安全保障にとって深刻
な脅威となりつつある。また軍事力を背景に東シナ海・南シナ海における海洋覇権の獲得
の動きを強めている中国については、昨年来、尖閣諸島の実効支配に向けた取り組みを実
行する段階に入った可能性があると指摘されている。その一方で、脅威にさらされている
わが国の平和と国民の命を守るべき自衛隊については、憲法ではその存在自体が規定され
ていない状態が放置されたままとなっている。それゆえすみやかに憲法九条に自衛隊を明
記すべきである。
またわが国は東日本大震災を経験し、今後も近い将来に首都直下地震や南海トラフ地震
の発生が予測されている。しかしながら現行憲法には、大規模自然災害その他の事態へ対
処するための緊急事態条項が存在していない。世界各国で常識となっている緊急事態条項
が現行憲法にないのは、憲法の根本的欠陥以外の何物でもない。
参議院選挙によってようやく本格的に憲法改正が検討される政治環境が整ったことを受
け、国民が憲法改正論議の具体的な進展を望んでいることが、各種世論調査において明確
に示されている。たとえば昨年十一月に実施された読売新聞世論調査では、六十七%が衆
参両院に設置された憲法審査会における憲法改正に向けた議論が活発に行われることを期
待するとし、また同じ時期のFNN世論調査では、八十一・四%が各政党はそれぞれの憲
法草案を提示すべきだとしている。
第十九回公開憲法フォーラムの開催にあたり、国民のこの期待に応え、国民の命と暮ら
しを守る国家の責任を果たすため、各党に対して、憲法改正原案を提示して国会における
合意形成を図り、憲法改正の国会発議および国民投票の実施をすみやかに実現するよう要
望する。
右、声明する。
平成二十九年五月三日
「二十一世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称 民間憲法臨調)
美しい日本の憲法をつくる国民の会
5月3日・日本国憲法施行70年~全国行事案内~(平成29年4月25日)
5月3日・日本国憲法施行70年~全国行事案内~
5月3日(水)、日本国憲法施行より70年を迎えます。憲法改正の早期実現を求める集会・講演会が、全国各地で開催されます。ぜひ、お近くの催しにご参加ください。
※神奈川会場は、4/29の行事です。ご注意下さい。
※下記一覧の「ネット中継」は、東京会場「第19回憲法フォーラム」のライブ中継です。
★東京会場の憲法フォーラムは、「ニコニコ動画」でも生放送します!下記より視聴可能です。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv290726408
* * *
札幌市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)13:30~
ところ:かでる2.7 1Fかでるホール
講師:阿比留瑠比 氏(論説委員兼産経新聞政治部編集委員)
参加費 500円※高校生以下無料
主催:美しい日本の憲法をつくる道民の会 TEL011-209-3022
詳細 http://www.nipponkaigi.org/category/event/event-02
旭川市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)15:00~16:30
ところ:勤労者福祉会館2階大会議室
講師:岡田幹彦 氏(日本政策研究センター主任研究員)
【テーマ】「今こそ日本人の誇りを取り戻そう~日本文明の世界的使命~」
参加費 500円
主催:日本会議上川地区協議会 TEL090-5958-0648(事務局 狩野)
青森県 三沢市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~15:30
ところ:三沢市国際交流教育センター
参加費 無料
【申込み方法】FAX017-781-9622/TEL090-8921-3288(倉持)
主催:美しい日本の憲法をつくる青森県民の会 TEL017-781-9461
宮城県 仙台市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~15:30
ところ:東京エレクトロンホール宮城6階
参加費 無料
【申込み方法】FAX022-268-2939/Eメール kenpou.miyagi@gmail.com
◎お名前・ご住所・℡番号・年齢を明記して下さい。
主催:美しい日本の憲法をつくる宮城県民の会 TEL022-222-6663/FAX022-268-2939
福島県
会津若松市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)(予定)13:15~
ところ:会津稽古堂研修室3
主催:美しい日本の憲法をつくる福島県民の会 TEL024-925-0457(事務局)
【共催】公益社団法人日本青年会議所 東北地区 福島ブロック協議会、自由民主党福島県支部連合会
いわき市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)(予定)13:15~
ところ:いわきJC会館
主催:美しい日本の憲法をつくる福島県民の会 TEL024-925-0457(事務局)
【共催】公益社団法人日本青年会議所 東北地区 福島ブロック協議会、自由民主党福島県支部連合会
郡山市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)(予定)13:15~
ところ:中央公民館第1講義室
主催:美しい日本の憲法をつくる福島県民の会 TEL024-925-0457(事務局)
【共催】公益社団法人日本青年会議所 東北地区 福島ブロック協議会、自由民主党福島県支部連合会
白河市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)(予定)13:15~
ところ:地域交流会議室
主催:美しい日本の憲法をつくる福島県民の会 TEL024-925-0457(事務局)
【共催】公益社団法人日本青年会議所 東北地区 福島ブロック協議会、自由民主党福島県支部連合会
福島市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)(予定)13:15~
ところ:福島JC会館
主催:美しい日本の憲法をつくる福島県民の会 TEL024-925-0457(事務局)
【共催】公益社団法人日本青年会議所 東北地区 福島ブロック協議会、自由民主党福島県支部連合会
新潟県
新潟市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:40
ところ:ほんぽーと(新潟市立中央図書館)3F 多目的ホール
参加費 無料※定員100名
主催:美しい日本の憲法をつくる新潟県民の会 第1区憲法改正推進本部 TEL025-384-0252/FAX025-384-0352
糸魚川市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:15~15:30
ところ:ヒスイ王国館糸魚川タウンセンター「明星の間」
参加費 無料
主催:日本会議新潟県本部糸魚川支部 TEL090-2456-9895(白沢)
長岡市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~16:00
ところ:ハイブ長岡2F
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる新潟県民の会 TEL0258-32-1711
【ほか主催団体】自民党長岡支部、長島忠美後援会、星野伊佐夫後援会、日本をよくする新潟県民の会、隊友会長岡支部、国家基本問題研究所長岡世話人会、日本会議長岡支部、神道政治連盟
富山県 富山市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~
ところ:富山第一ホテル3階「天平の間」
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる国民の会、自由民主党富山県支部連合会憲法改正推進本部TEL076-432-2520(事務局)
石川県 金沢市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:金沢市文化ホール2階大集会場
講師:倉山満 氏(憲政史研究家)
【テーマ】「日本国憲法の歴史と問題点」
参加費 1000円
【申込方法】FAX:076-203-0411
◎参加ご希望の方は、お名前、ご住所、℡番号を明記のうえFAXで
ご連絡下さい
主催:石川県憲法フォーラム青年実行委員会TEL090-5171-9723(土倉)
長野県 長野市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~
ところ:長野県神社庁
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる長野県民の会 TEL026-232-3355/FAX026-233-2720
岐阜県 岐阜市
■企画:ネット中継+講演会
と き:5月3日(水)13:15~16:30
ところ:ハートフルスクエアーG 大研修室(JR岐阜駅東横構内)
講師:諫山仁美 氏(「女子の集まる憲法カフェ」編集者)
参加費 500円
【申込方法】FAX058-278-2038(氏名と連絡先を明記ください)※TELでも可
主催:美しい日本の憲法をつくる岐阜県民の会TEL058-278-2008(峯)
静岡県 富士市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)13:00~16:30
ところ:富士市文化会館ロゼシアター中ホール
講師:京本和也 氏(動画製作者)
【第一部】「カズヤが語る憲法改正と日本の未来」
【第二部】パネルディスカッション「若者が語る憲法改正と日本の未来」
参加費 1000円
【申込み方法】FAX0545-72-3142/参加申し込み: 参加ご希望の会は、お名前・ご住所・℡番号を明記のうえメール又はFAXでお申し込み下さい。
主催:日本会議静岡富士支部/憲法改正を考える市民の会TEL080-5114-9548(大村)
愛知県 名古屋市
■企画:ネット中継+シンポジウム
と き:5月3日(水)13:30~16:00
ところ:桜華会館4階 松の間
参加費 1000円
【申込み方法】FAX052-763-4588/Eメール tokai-seikyo@mtc.biglobe.ne.jp
主催:美しい日本の憲法をつくる愛知県民の会TEL052-763-4678
栃木県 宇都宮市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~
ところ:護国会館
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる栃木県民の会 TEL0286-22-3180
群馬県 前橋市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:15~15:30
ところ:ベイシア文化ホール402・403会議室
参加費 1000円 ※高校生以下無料
主催:美しい日本の憲法をつくる群馬県民の会 TEL090-2551-1612(担当・金谷)
千葉県 八千代市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00
ところ:八千代市市民会館2F 第五会議室
参加費:500円
主催:日本会議千葉八千代支部TEL090-1103-7835(若松)
東京都
■企画:第19回憲法フォーラム
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:砂防会館別館大ホール
参加費 1000円
お申し込み: 参加ご希望の方は、お名前・ご住所・連絡先℡・メールアドレスを明記のうえ、FAX 03-5212-7201までFAXにてお申し込み下さい。
【出席予定者】
◎古屋 圭司氏(自民党・衆院憲法審査会幹事)
◎遠山 清彦氏(公明党・憲法調査会事務局長)
◎足立 康史氏(日本維新の会・衆院憲法調査会委員=予定)
◎西 修氏(駒沢大学名誉教授)
◎打田 文博氏(美しい日本の憲法をつくる国民の会事務総長)
◎尾崎 正直氏(高知県知事・巨大地震被害予想県)
◎西高辻信宏氏(日本青年会議所会頭)
◎平池 牧子氏(JC憲法輿論確立会議)、他
主催:民間憲法臨調/美しい日本の憲法をつくる国民の会 TEL03-5213-4323
詳細 http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/9428
神奈川県 横浜市
■企画:4/29 憲法講演会
と き:4月29日(土)13:30~16:30
ところ:横浜市開港記念会館・講堂
講師:井上和彦 氏、我那覇真子 氏
【テーマ】「日本の平和と安全は憲法改正から」
参加費 無料
主催:憲法改正を実現する神奈川県民の会 TEL042-772-3085(松原)
詳細 http://www.nipponkaigi.org/event/archives/9408
京都府 綾部市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:15~15:30
ところ:I・Tビル2F
参加費 500円
主催:日本会議京都北部支部 TEL0773-42-0033(芦田)
大阪府 大阪市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)13:30~16:30
ところ:大阪府神社庁会館5階
講師:江崎道朗 氏(評論家)
【テーマ】「トランプ政権が世界と日本を変える」
ディスカッション: 青年・学生による討論
※若者らしい憲法の問題や日本の未来を大いに語ります。
参加費 100円 0※日本会議の正会員以上は無料
主催:美しい日本の憲法をつくる大阪府民の会 TEL06-6245-5741
兵庫県 神戸市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:15~16:00
ところ:神戸市勤労会館405・406
参加費 1000円 ※学生以下無料 ※定員100名
主催:美しい日本の憲法をつくる兵庫県民の会 TEL078-341-1145/FAX078-371-6015
※【街頭活動】5月3日10時半~11時半・神戸大丸前(連絡先070-5508-2577)
徳島県 徳島市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:45~15:30
ところ:護国神社
参加費 無料
主催:日本会議徳島県本部 TEL088-663-5102
愛媛県
松山市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~
ところ:松山市総合コミュニティセンターキャメリアホール
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会 TEL089-909-7185
四国中央市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:土居文化会館ユーホール
参加費 1000円 ※大学生以下無料
主催:美しい日本の憲法をつくる四国中央市民の会 TEL090-5273-3451/FAX0896-56-5400
高知県 高知市
■企画:講演会+ネット中継
と き:5月3日(水)13:45~16:00
ところ:高知会館
講師:中西哲 氏(参議院議員)
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる高知県民の会 TEL090-1576-0626(西)
【共催】日本と郷土を愛する高知県民の会
鳥取県 米子市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~15:30
ところ:米子コンベンションセンター3階 第2会議室
参加費 無料
主催:日本会議鳥取県本部 TEL080-5613-3996(事務局 熊坂)
岡山県 岡山市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:岡山県立図書館デジタル情報シアター
参加費 無料
主催:美しい日本の憲法をつくる岡山県民の会 TEL086-234-7200/FAX086-234-7201
広島県
広島市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:15~15:30
ところ:広島県立総合体育館 地下1階 大会議室
参加費 無料
◎申し込み方法:お名前・ご住所・℡番号を明記のうえ、メール又はFAXにてお申し込み下さい。 ■メール info@jp-pride.com /FAX082-831-6206
主催:美しい日本の憲法をつくる広島県民の会TEL082-831-6205
尾道市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:しまなみ交流館 大会議室
参加費 1000円
◎申し込み方法:お名前・ご住所・℡番号を明記のうえ、メール又はFAXにてお申し込み下さい。 ■メール info@jp-pride.com /FAX082-831-6206
主催:日本会議広島尾道支部 TEL090-8711-7187(真野)
福山市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:まなびの館ローズコム4階 大会議室
参加費 無料
◎申し込み方法:お名前・ご住所・℡番号を明記のうえ、メール又はFAXにてお申し込み下さい。 ■メール info@jp-pride.com /FAX082-831-6206
主催:日本会議広島福山支部 TEL084-922-1332
山口県 山口市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:00~15:30
ところ:山口県神社庁
参加費 無料
主催:日本会議山口
【共催】美しい日本の憲法をつくる山口県民の会 ※公共交通機関をご利用く
福岡県 福岡市
■企画:「美しい日本の憲法をつくる福岡県民の会」第2回総会・講演会
と き:5月3日(水)13:00~
ところ:ソラリア西鉄ホテル(8F/彩雲の間)
講師:北村淳 氏(軍事社会学博士)
【テーマ】『南シナ海と東シナ海ー日本の国防は如何にあるべきか』
参加費 1000円 ※大学生以下無料
主催:美しい日本の憲法をつくる福岡県民の会 TEL092-631-6161/FAX092-641-3265
詳細 http://www.nipponkaigi.org/event/archives/9399
佐賀県 佐賀市
■企画:講演会と き:5月3日(水)13:30~
ところ:佐賀市文化会館イベントホール
講師:山谷えり子 氏(元国務大臣・参議院議員)
参加費 1000円 ※大学生以下無料、託児有り(託児を希望される方は事前予約くださ)
主催:美しい日本の憲法をつくる佐賀県民の会 TEL0952-60-1358(事務局)
長崎県 長崎市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)15:00~17:00
ところ:長崎ブリックホール三階国際会議場
講師:ケントギルバート 氏(弁護士・タレント)
【テーマ】アメリカ人弁護士の私が、大好きな日本人に『もういい加減に気がついて欲しい』 日本国憲法あれこれ
参加費 1000円
◎参加申し込み:事前に事務局(連絡先)にお申し込み下さい。
主催:美しい日本の憲法をつくる長崎県民の会 TEL095-823-9140 FAX095-893-5730 (北村・竹下)
熊本県 熊本市
■企画:憲法を考える青年シンポジウム+ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~16:00
ところ:熊本ホテルテルサ・テルサホール
講師:西岡力 氏(麗澤大学客員教授・救う会全国協議会会長)
【テーマ】激動の朝鮮半島情勢と日本、今そこにある危機~日本は今のままの憲法で大丈夫なのか』
参加費 1500円 ※前売り1000円、学生・日本会議正会員以上は無料(要申込)
主催:憲法を考える熊本青年実行委員会 TEL096-322-7484
【共催】美しい日本の憲法をつくる熊本県民の会、自由民主党熊本県支部連合会
大分県 大分市
■企画:講演会+ネット中継
と き:5月3日(水)13:30~15:30
ところ:ホルトホール3階大会議室
講師:我那覇真子 氏(「琉球新報、沖縄タイムズを正す県民・国民の会」代表委員)
参加費 1000円 ※定員 300名
主催:美しい日本の憲法をつくる大分県民の会 TEL097-532-2784
大分県神社庁、大分市日本会議
宮崎県 宮崎市
■企画:講演会
と き:5月3日(水)14:00~16:00
ところ:宮崎市民プラザ・オルブライトホール
講師:小川和久 氏(静岡県立大学特任教授)
参加費 1500円 ※前売券1000円
■事前申し込みが必要です。
参加ご希望の方は氏名・住所・電話番号チケット必要枚数をメール・電話・FAX・葉書にて下記までお申し込みください。事務局より「チケット」と「振り替え用紙」をお送りします。
主催:美しい日本の憲法をつくる宮崎県民の会 TEL0985-73-8241/FAX0985-73-8240
メール miyazaki-kaigi@lion.ocn.ne.jp
鹿児島県 鹿児島市
■企画:ネット中継
と き:5月3日(水)13:20~16:30
ところ:鹿児島県市町村自治会館4階ホール
参加費 無料
主催:【共催】美しい日本の憲法をつくる鹿児島県民の会・日本会議鹿児島・神道政治連盟鹿児島県本部・鹿児島県隊友会政治連盟・日本会議鹿児島議員懇談会TEL099-225-3533
全国の息吹~北から南から~5月(皐月)
■ 千葉県 日本会議千葉が自衛隊見学会
2月15日、日本会議千葉は陸上自衛隊松戸駐屯地需品部隊を訪れ「自衛隊施設見学会」を実施。34名が参加しました。
■ 大阪府 日本会議大阪が御堂筋で国旗推進パレード
太政官布告による国旗制定日である1月27日に合せ、日本会議大阪では国旗掲揚の推進訴え市内パレードを実施しました。
日本会議大阪が沖縄にて慰霊祭
2月22~23日、神道政治連盟大阪府本部と日本会議大阪共催により、沖縄戦大阪慰霊碑前で「第7回なにわの塔慰霊祭」を開催しました。
■ 愛媛県 日本会議愛媛県本部が尖閣の危機訴える
2月25日、日本会議と県民の会が松山市駅前とぼっちゃん広場で憲法改正の街頭活動を実施。石垣市議の仲間均氏も参加しました。
■ 沖縄県 沖縄県庁前で尖閣防衛訴え憲法署名活動
日本会議沖縄県本部は、1月14日の「尖閣諸島開拓の日」に合せ県庁前にて憲法改正賛同者署名活動を実施しました。
女性の会~おしゃべり憲法カフェ開催~
♡北海道
札幌市で女性経営陣らがおしゃべりカフェ
2月16日、札幌市で女性経営陣も交え「憲法おしゃべりカフェ」を開催。講師は日本女性の会副運営委員長の荒木栄子氏。
♡神奈川
基地の街横須賀市でおしゃべりカフェ
2月26日、横須賀市で「憲法おしゃべりカフェ」。講師の諌山仁美氏(明成社)の話で基地のある街でも熱のこもったお話が。
♡長崎
長崎女性の会が県議を囲み懇談会
2月2日、日本会議長崎女性の会がごうまなおみ県議を囲んで新年懇談会を開催しました。
♡熊本
熊本で自衛隊父兄会のおしゃべりカフェ開催
2月11日、熊本市の自衛隊父兄会女性部において「憲法おしゃべりカフェ」を開催。熊本大の髙原朗子教授が講演しました。
地方から、誇りある国づくり運動~5月(皐月)~
〇東京 府中
府中支部で加瀬会長の講演会
2月26日、府中支部主催の講演会が開催。東京都本部の加瀬英明会長が「激変する国際情勢と我が国の対応」と題し講演しました。
〇兵庫 西宮・芦屋支部
西宮・芦屋支部で女子学生らと唱歌の会
2月4日、西宮・芦屋支部主催の「唱歌をうたう会」が開催。泉庄右エ門氏、泉規子氏を講師に迎え女子学生らも参加しました。
〇広島 呉支部
呉支部が元呉地方総監招き講演会
1月14日、呉支部主催の新春セミナーが開催。元海上自衛隊呉地方総監の伊藤俊幸氏が「現行憲法と日本の安全」と題し講演しました。
〇山口 美祢支部
山口県美祢支部が設立
3月3日、山口県本部美祢支部が設立総会を開催。講師の宮崎義敬氏が「日本再生への道」と題し記念講演しました。
〇佐賀 唐津支部
唐津支部が公開例会で歴史講演
1月10日、唐津支部主催の公開例会が開催。外科医の藤原雄氏が「ルーズベルトへの手紙」と題して講演しました。
トランプ政権と日本の国防の基本姿勢(日本の息吹4月号より)
トランプ政権と日本の国防の基本姿勢-(日本の息吹4月号より)
― 次第に全貌を現わしつつある米トランプ政権。安全保障、日米同盟についての取り組みはどうか。しかし、そもそもアメリカからいわれるまでもなく、外国の脅威から日本の国益を護るため、国防予算の倍増など我が国が生き残るための国力増強こそ急務なのである。 ―
軍事社会学者
北村 淳 きたむら じゅん
東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業後、警視庁公安部等に勤務。ブリティッシュ・コロンビア大学でPh.D.(政治社会学博士)取得。現在、軍事コンサルタント(米シンクタンク)としてシアトル在住。著書に『米軍が見た自衛隊の実力』『写真で見るトモダチ作戦』『海兵隊とオスプレイ』『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』等がある。
* * *
■ トランプ政権の国防の基本方針
本稿執筆段階では、国防長官と安全保障問題担当大統領補佐官は決定しているものの、未だに海軍長官をはじめ国防総省の高官人事が落ち着いていない。当然のことながら、トランプ政権の安全保障戦略が具体的な形で打ち出されてはない。もっとも、トランプ政権に限らず大統領が交代した場合、新政権の安全保障戦略が明示されるには、その重大性ゆえに、ある程度の時間を要する。(トランプ政権でも2018年1月までに新戦略を練り直して発表されることになっている。)したがって、トランプ政権の具体的安全保障戦略に立脚して議論することは、現段階では、未だ時期尚早といわざるを得ない。ただし、大統領選挙期間中から就任後これまでのトランプ政権による安全保障関連人事の動向や、トランプ大統領はじめ安全保障関係者たちの言動などから、
(1)国防予算を大幅に増額し、アメリカ軍とりわけ海洋戦力を増強する。
(2)当面目に見える形でアメリカが軍事的に関与するのはIS撃滅作戦である。
(3)ロシアとの直接対峙は避け、NATO/EU諸国を前面に据えて対ロ牽制を実施する。
(4)覇権主義的海洋侵出の勢いが止まらない中国の勢いを牽制する。
という基本方針はほぼ確実と考えられる。
■ 米海軍増強の論理
これらのうち、日本の防衛そして日米同盟に直接関係するのは、中国の海洋侵出への対処である。オバマ政権は中国の海洋侵出政策に対して強硬な反対姿勢を示さなかったため、中国は南沙諸島に7つの人工島を建設してしまい、それらのうちの3カ所には本格的航空施設まで誕生させてしまうことになった。(中略)このような状況に対して、トランプ政権は中国の南シナ海全域にわたる完全なコントロールを阻止すべく軍事的な牽制を実施する姿勢を打ち出している。しかし、中国にとり南シナ海は「前庭」のような存在で広東省や海南島の数多くの航空基地や海軍施設から直接戦闘機、攻撃機、軍艦を繰り出すことができ、沿岸域に配備された多種多様の長射程ミサイルで迫り来るアメリカ軍艦や航空機を迎え撃つことができる。それに加えて西沙諸島や南沙諸島にも少なからぬ前方展開軍事基地を確保してしまった。一方のアメリカ軍は「フィリピンに多数の本格的軍事拠点を確保して、数百機の戦闘機や爆撃機、それに多数の軍艦を常駐させ、十万以上の陸海空海兵隊兵力を駐屯させる」といった状況にならない限り、空母艦隊を南シナ海に派遣して中国海洋戦力と対峙しなければならない。いくらアメリカ空母艦隊が遠征能力を誇っているとはいっても、空母艦隊は横須賀、ハワイ、そしてアメリカ西海岸から「中国の前庭」に長駆しなければならないため、距離の不利は圧倒的である。そのうえ、戦闘が予想される状況下で空母艦隊が出動するとなれば、戦闘攻撃機をはじめする70機以上の各種航空機を積載した原子力空母の他に攻撃原潜2隻、イージス巡洋艦2隻、イージス駆逐艦2〜3隻、戦闘補給給油艦1隻からなる戦時編制の空母打撃群を出動させなければならない。このような大艦隊は海に浮いているだけでも莫大な費用がかかる。それを少なくとも3セット以上は南シナ海に派遣することなど、とても現在のアメリカ軍にはできない相談である。ようするに、「第一次世界大戦後以来最小の規模まで落ち込んでしまった」と海軍関係者が嘆いているように戦力低下をきたしてしまった米海軍力を復活させない限り、とても「中国の庭」ともいえる中国沿海域で、中国海洋戦力の自由気ままな動きを封じ込めることなど、アメリカ海洋戦力(海軍と海兵隊それに空軍の一部)を持ってしてはできかねる、というのが現状なのだ。選挙期間中からこのようなアメリカ海洋戦力の現状をトランプ大統領にすり込んできた人々が、今やトランプ政権の安全保障政策の舵取りをしようとしている。ビジネスマンであるトランプ大統領自身も「海洋戦力の構築とはすなわち軍艦の建造を盛んになすことであり、軍艦の建造とは鉄鋼業から最先端技術まで幅広い分野での用が拡大することになる」という論理で、海洋戦力増強論者たちと利害が一致したのだ。したがって、国防予算を大幅に増額し、集中的に海洋戦力構築のために投入するというシナリオは確実に推進されていくのである。
以下は「日本の息吹4月号」につづく
月刊「日本の息吹」は、「日本会議」が発行する機関誌です。誇りある国づくりをめざすオピニオン誌として、新しい視点で明日の日本の進路と、日本再発見を提言します。
目次
グラビア
●今月の言葉/今林賢郁
●フォトグラフ
●トランプ政権と付き合うにあたって必要な日本の国防の基本姿勢とは何か/北村淳
● 特集「慰安婦」歴史戦を戦い抜け!(その2)日本の子供たちを誰が守るのか?~“憎しみの工場”の最大の被害者は子供たちだ/山岡鉄秀朝日・グレンデール訴訟最終準備書面(後編)
●[連載]新教育基本法下の教育改革/村主真人
●日本会議は結成20年を迎えます─誇りある国づくりめざして《20年の歩み①》日本会議の設立日本会議20年史年譜《前編》
●[書評]山村明義著『日本をダメにするリベラルの正体』
●[連載]憲法おしゃべりカフェ/愛知県
●糸魚川の大火災から学んだこと/白沢賢二
●「松柏学園・大志万学院訪日使節団」交流歓迎会
●[連載]コーシンの世相談義/髙信太郎
●息吹のひろば