[終戦80年]大東亜戦争終戦80年 追悼と感謝の集い・谷口会長挨拶
大東亜戦争終戦80年 追悼と感謝の集い
主催者代表挨拶
日本会議会長 谷口 智彦
80年前の本日、ちょうどこの時間辺り、玉音放送で終戦を知った善男善女は、そぞろ靖國のみ社(やしろ)に集まって、万感の思いを涙に託し、英霊に向かいました。
当時の宮司、鈴木孝雄陸軍大将はその日の情景を、「境内に参拝者がひきも切らぬ。軍人が拳で目を掩(おお)い聲(こえ)を上げて泣きつつ通つた」と述べています。
気温は31~2度。青い空、照りつける太陽を、時々雲が遮(さえぎ)りました。きょうと同じように、空気は多くの湿気を含んでいたようです。
同じ時刻、皇居前。正座しむせび泣く人々から、誰が音頭を取るでもなく、「海ゆかば」の歌が聞こえ始めました。くぐもった聲が、そこここから、「おおきみの辺(へ)にこそ死なめ」─と。あきらかにそれは、戦いに散った、英霊たちを思ってのことだった
に違いありません。
きっとここ、靖國のみ社でも、山ゆかば、草生すかばね。歌は、聞こえたのではありますまいか。
私達にはもはや思い出すことのかなわない、遠い日のことです。けれども耳を澄まして、思いを馳せることは、できます。
平静な、心にならなくてはなりません。胸の中に湖があるなら、波が消え、水面(みなも)が鏡のようになるのを待てば、きっと、海ゆかばの歌が、聞こえてくることでしょう。
すると次の刹那(せつな) 、英霊の聲が、かそけき聲が、私達の耳朶(じだ)を打ち始めます。
おまえたち、きみたち、あなたたちは、誇るに足る国を築いてきたか。心に、一点も、恥じるところはないか。
もちろんですとも。誇ることができる国をつくり、恥ずべきことなど何もありませんと、英霊に向かって胸を張るべくして、私達はまだ、道半ばです。
いまから80年後も、靖國のみ社は、広々と大きく、手入れが行き届いた、清潔な場所でなくてはなりません。
世界の色々な国から、政治や経済、軍事の指導者たちが訪れては、静かな祈りを捧げることのできる場として、大切にされていなくてはならないと、そう考えます。
そのために必要な努力を、私達一人ひとり、担っていこうでは、ありませんか。
80年後の日本が、若い人たちがいきいきと働き、日本人に生まれて本当に良かったと思える国であるように。
今の平安と、平和があるのは、はるかな昔、一身を捧げて戦いに斃(たお)れた先人達の尊い犠牲があるからだと、心から偲ぶ気持ちをもっていてくれるように。
英霊に感謝を捧げる本日、未来を見晴るかし、今日これから、孜々(しし)たる歩みを続けていくことを誓う日といたしましょう。
私ども一人ひとり、背中に、英霊が、先人たちが私達に託した祈りを感じながら、歩んでまいりましょう。
ご列席くださいましたことへの感謝を皆々様に申し上げつつ、ご挨拶を終わります。ありがとうございました。