[中国]尖閣、南シナ海で積み重ねられる、中国の領有権主張

安全保障

■中国「海監」、1年間で尖閣・領海内を「50回パトロール」
1月16日、中国政府は、「全国海洋工作会議」で、昨年1年間で沖縄県・尖閣諸島の領海内へのパトロール航行が計50回に達したと報告しました。

国家海洋局・海監総隊(海監)は、管轄海域での海上パトロール活動を通算262日間実施したと発表。
同局の劉賜貴局長は、「2014年も、パトロールを常態化させる」ことを強調。
また、今年中に新たに20隻の海洋監視船の建造を始めることを決めました。

■南シナ海で積み重ねられる、中国の領有権主張の示威行動
中国の国営新華社通信は、26日、中国海軍の南海艦隊が、南シナ海の南端にあたる「曽母暗沙」(英語名:ジェームズ暗礁)で「主権宣誓活動」を行ったことを伝えました。この海域は、マレーシアも領有権を主張している海域です。
同艦隊は、昨年3月にも、曽母暗沙で、「曽母暗沙は自国領土の最南端」と主張し、艦船上で式典を開いています。

中国は、南シナ海全域が中国の主権に属すると主張しています。地図上では「九段線・U字線」と呼ばれ、諸外国からはその形状から「中国の赤い舌」と揶揄されいます。
南シナ海最南端の「曾母暗沙」の海底には、これまでも「中華人民共和国」との標石を投下して、海域の領有を主張しています。

過去に報道された例では、
1992年(平成4年)2月、「領海法」の制定に際して、海南省幹部が南海艦隊の艦艇から投下。
1995年(平成7年)2月、海南省海洋局の海洋庁への昇格を記念し、15個の主権標識を水深20メートルの海底に投下。
2010年(平成22年)8月、海軍有人潜水艇が、3,759メートルの海底に国旗を立てる。
などの示威行動を行っています。

中国メディアは、50年たてば領有権が正当に確立するなどと報じていますが、国際法上、水中投下や国旗を立てる行為は効力を持たず、周辺諸国は神経を尖らせています。

こうした標識や石碑を海中に透過する活動は、尖閣諸島周辺でも活動家らが行っており、日本も他人ごとではありません。

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[防衛]米・中、海上衝突の危機。中国の空母「遼寧」の動静で防空体制に穴

安全保障

12月5日、南シナ海の公海上で、中国海軍に対する監視活動を行っていた米海軍イージス艦「カウペンス」と中国海軍艦船が衝突コースに入り、カウペンスが回避行動の末、停船したことが明らかとなりました。

双方の艦船の距離は460mと言われ、米国政府は中国政府に抗議しました。

カウペンスは台風30号の被災地支援のためにフィリピンに派遣されていましたが、空母「遼寧(りょうねい)」(※1)が海南島の基地に入港し、周辺海域で訓練していたことから、情報収集を行っていたものとみられます。

空母「遼寧」は11月26日、中国山東省の青島にある基地を出港し、台湾海峡ルートを通り、29日に海南島三亜にある海軍基地に入港していました。駆逐艦「瀋陽」「石家荘」、フリゲート艦「烟台」「(●=サンズイ)に維坊」が随伴していると報じられていました。

空母の南シナ海派遣を巡っては、周辺諸国に緊張が走っており、フィリピン外務省でも2002年に署名した「行動宣言」に違反する行為だと批判しています。

空母「遼寧」の活動については、自民党の国防部会でも論議を呼んでいます。
宮古水道を抜けて西太平洋に抜けた場合、空母からの艦載機の発着については、我が国のレーダー網では追尾できないため、太平洋側にも小笠原諸島等にレーダー網を整備し防空識別圏を設定することが部会内で提案されています。(※2)

●ご参照
※1「遼寧」
中国は、2012(平成24)年9月に空母「遼寧(りょうねい)」を就役させ、同艦就役後も艦載機パイロットの育成や国産のJ-15艦載機の開発など必要な技術の研究・開発を継続していると考えられる。(平成25年版「防衛白書」)

※2「我が国周辺海域における警戒監視について」
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2013/pc/2013/index.html
平成25年版 防衛白書「第1章 国民の生命・財産と領土・領海・領空を守る態勢」より

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