●国会質疑 平成14年11月(要旨)
Q男らしさ、女らしさを認めながらやっていくのが男女共同参画社会基本法の基本的な考え方ではないか。
男女共同参画社会は、基本法の前文に書いてあるとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会であり、男らしさとか女らしさを否定しているものではない。しかし、男らしさとか女らしさをパターン化してしまうということは、一人一人の個性と能力を十分に発揮することができなくなるおそれがあることから、これを強調しすぎることについては問題があると考えている。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:福田官房長官)
Q男女共同参画社会基本法は、結果の平等を求めているのか、条件の平等を求めているのか。
男女が均等に政治的、経済的、文化的、また社会的な利益を享受することができ、そして男女ともに責任を担うべき社会を形成することが男女共同参画基本法の目標である。
その目標を達成するために、いろいろな機会を確保することによって男女が参画しやすい環境を整備することが大事だと考えている。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:福田官房長官)
Qジェンダーフリーの思想が男女共同参画社会基本法の基本になっているのか。
ジェンダーという言葉は、社会的、文化的に形成された性別という意味で男女共同参画基本計画においても使用されているが、ジェンダーフリーという用語は、北京宣言及び行動綱領や最近の国連婦人の地位委員会の年次会合の報告書などでも使われておらず、日本の男女共同参画社会基本法、男女共同参画基本計画等の法令においても使用されていない。
したがって、男女共同参画局としては、ジェンダーフリーの公式的な概念を示すことはできない。
一部には、画一的に男性と女性の違いを一切排除しようという意味でジェンダーフリーという言葉を使っている方がいるが、男女共同参画社会はこのようなことを目指しているのではなくて、男女共同参画社会基本法で求められているとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会、男女が差別を受けることなく、対等なパートナーとして様々な分野に参画し、利益も責任も分かち合っていけるような社会を目指しているものである。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:坂東男女共同参画局長)
Q男女共同参画社会とは何を目指しているのか。
Qジェンダーフリーという考え方の影響の下で、施策の推進に当たって、行き過ぎがあるのではないか。
政府の男女共同参画社会形成に向けての基本的な考え方は、男女が互いにお互いの人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できる社会を目指すことであり、画一的に機械的に男女の違いを認めないというものではない。
(平成14年11月15日衆議院内閣委員会 質問者:西村眞悟(自由党)、答弁者:米田副大臣)
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:米田副大臣)
Q男女共同参画に関する条例案に状況に対する見解如何。
地方公共団体が制定する男女共同参画に関する条例は、男女共同参画社会基本法の趣旨を踏まえて、各地方公共団体において、その地域の特性に応じて、また住民の意向などを踏まえて条例案が作成されていると認識している。
いろいろな議論がなされた上で男女共同参画が一層進むことを期待している。
(平成14年11月5日参議院内閣委員会 質問者:田嶋陽子(無所属) 答弁者:福田官房長官)
Q政府は、男女共同参画社会基本法をもとにして、家庭を解体したり、あるいは現行婚姻制度を根本的に改めようというふうに考えているのか。
男女共同参画基本法は、家庭や家庭を破壊しようとするものではない。日本には古来の伝統があり、今後も守るべきは守っていくことだと思う。
少子高齢化、国際化など世の中も随分変わっており、いろいろなライフスタイルも存在してきている。そういう個々の生き方を否定するものであってもいけない。新しい生き方を認めることも大事なことであり、そのことが、社会をより活性化するのではないかと考えている。
(平成14年7月22日 衆議院決算行政監視委員会第一分科会 質問者:山谷えり子(民主党) 答弁者:福田官房長官)
●国会質疑の内容
Q男女共同参画社会とは何を目指しているのか。
(平成14年11月15日衆議院内閣委員会 質問者:西村眞悟(自由党)、答弁者:米田副大臣)
教養ある西村先生らしく歴史もひもとかれまして、まさにお説のとおり、例えば鎌倉時代等を振り返ると、女性も地頭職の相続が許されていたというふうな事実もあるわけでありますし、男女の関係というものは時代によっても、また階層によっても異なるわけでありまして、一律単純に男対女の抗争で人類の歴史が彩られてきたわけではない。そういう意味で私も同じ思いを持っているわけであります。
しからば、今日の政府の男女共同参画社会形成に向けての基本的な考え方は何かといいますと、これはあくまでも男女が互いにお互いの人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できる社会を目指す、これが基本的な考え方であります。
しかしながら一方で、画一的で、そしてまた機械的に男女の違いを認めないというふうな主張をされる方も一部におり、また、そういう誤った方向での議論も一部にこれまであったということも承知をしております。地方条例の制定等の議論の過程でも、若干の混乱があったという話もまた聞いているわけであります。
しかしながら、政府の立場としましては、十二日の参議院の内閣委員会で、官房長官答弁、そして私の答弁で明確にしております。画一的に、そして機械的に男女の違いを認めないというものではないということを実は強調した答弁をさせていただいているわけでありまして、その明確にされたところの政府の立場をさらにはっきりするために、十二日の参議院内閣委員会における質疑応答を刷り物にいたしまして、近日中に全国の都道府県に送付することを決定しております。
Q男らしさ、女らしさを認めながらやっていくのが男女共同参画社会基本法の基本的な考え方ではないか。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:福田官房長官)
男らしさとか女らしさ、これはやっぱり男女という性別がある限りあるのではないかと思います。ただ、時代が変わり、社会の情勢が変わって、その考え方に多少の違いがあるということがあったとしても、男女の性別というところから出てくるものは、これは否定することはできないと思っております。
そもそも、男女共同参画社会というのは、この法律の前文に書いてありますとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会であると、こういうことでございまして、これは、このことは男らしさとか女らしさ、これを否定しているものではありません。しかし、男らしさとか女らしさ、こういうことでもってパターン化してしまうということは、これは一人一人の個性と能力を十分に発揮することは時としてはできなくなるというような環境を作ってしまうというおそれがございますので、これを強調し過ぎるということについては問題があるのではなかろうかと。しかし、これも時代及びそれぞれの属する社会とかオケージョン、いろんな場合がございまして、一概に言えないところだと思っております。
Q男女共同参画社会基本法は、結果の平等を求めているのか、条件の平等を求めているのか。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:福田官房長官)
この男女共同参画社会基本法であります、ここには、男女が均等に政治的、経済的、文化的、また社会的な利益を享受することができ、そして男女ともに責任を担うべき社会を形成する、これがこの基本法に書いてある目標だというように思います。
その目標を達成するために、いろいろな条件とおっしゃいましたが、これはいろいろな機会を与えるということと理解をすべきだと思います。いろいろな機会を確保することによって男女が参画しやすい環境を整備する、そういうことでその目標を達成する、そういう機会を提供するということが大事だと思いますので、条件とかそういったようなことでない、機会を選択することもできるわけですから、そういうことで我々は理解いたしているところでございます。
Qジェンダーフリーの思想が男女共同参画社会基本法の基本になっているのか。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:坂東男女共同参画局長)
御指摘のとおり、ジェンダーという言葉は、社会的、文化的に形成された性別という意味で男女共同参画基本計画においても使用しておりますけれども、ジェンダーフリーという用語はアメリカでも使われておりませんし、北京宣言及び行動綱領や最近の国連婦人の地位委員会の年次会合の報告書などでも使われておりません。もちろん、日本の男女共同参画社会基本法、男女共同参画基本計画等の法令においても使用しておりません。
したがって、我が局、男女共同参画局としては、ジェンダーフリーの公式的な概念はこれこれでございますということをお示しできる立場にはございませんけれども、現在、一部に、男性と女性の区別をなくするんだ、男性と女性を画一的に扱うんだ、画一的に男性と女性の違いを一切排除しようという意味でジェンダーフリーという言葉を使っている方がいらっしゃる、そういうことは大変一部に誤解を持たれているんだなと思いますが、男女共同参画社会はこのような意味でのジェンダーフリーを目指しているのではなくて、男女共同参画社会基本法で求められているとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会、男女が差別を受けることなく、対等なパートナーとして様々な分野に参画し、利益も責任も分かち合っていけるような社会を目指しているというふうに思っております。
Qジェンダーフリーという考え方の影響の下で、施策の推進に当たって、行き過ぎがあるのではないか。
(平成14年11月12日参議院内閣委員会 質問者:亀井郁夫(自民党) 答弁者:米田副大臣)
大変盛りだくさんな御質問で、一言ではお答えしにくいんですが、まず教育の問題に関して何点か御指摘がございました。
男女共同参画社会に関する教育につきまして正確に申し上げるならば、男の子らしさ、女の子らしさを強調し過ぎる余り、子供たちの本来持っている固有な個性や才能、これを狭めてはならぬというところに本来の趣旨があるわけでありまして、したがって先ほど官房長官もお答えを申し上げたとおり、決して画一的に機械的に男女の違いを認めないと、こういうことではないということであります。したがって、そういう誤解を生まないような施策の進め方というものが大事だろうと思います。
なお、文部科学省の委託事業として発行されている、「未来を育てる基本のき」という冊子がありますが、ここにつきまして、男らしさ、女らしさを押し付けることの問題をこれは指摘したものでありますが、列挙した個々の慣例等について、それを否定的にとらえた上でその見解を逆に押し付けようとしているのではないかと、こういうふうに受け取られる向きもあったということは承知をしております。したがいまして、誤解の生じないように今後とも適切な対応がなされるように、関係省庁とも緊密な連絡を図ってまいらねばならないというふうに考えております。
また、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」という、この厚生労働省の所管団体の発行した冊子につきましても先生今言及されましたけれども、基本的には現実に中学生の、中学生向けのこれは冊子でありますが、中学生においても性体験を経験する児童が大変増えておるという、こういう現実があります。性教育というものはこれはやはり必要であろうと。
しかし一方で、先生が御指摘されたような産まない自由、産む自由云々というふうな、産むか産まないかというふうな記述、ここに今手元にありますが、結婚するかしないかとか、いろいろなことを書いてございますが、元々子供が子供を作っちゃいけないわけで、子供が結婚していいということにはなっていませんので、冊子のこの表現の問題なんでしょうが、性教育は当然これはもう必要になっている、現実の問題として。しかしながら、一方でやっぱり一定年齢までの子供のあるべき姿というものをきちんと社会が教えていくという、このことも忘れてはならぬことだろうというふうに考えております。
また、千葉県の条例の問題がありました。
御指摘の入札参加資格に対する考慮につきましては、これは条例案から削除されたわけであります。本来、入札制度の趣旨というものは、納税者の納めていただいた税金によって公共的な事業を行う際に、公明かつ透明なルールによって、しかも廉価で高い技術によって仕事をしていただくということに趣旨の力点があるわけであります。その辺のところが恐らく議論の中心になって、少し趣旨が違うのではないかというふうな反対意見もあって削除という流れになったんだろうと思いますが、いずれにしましても、条例というものは各地方公共団体においてその地域の特性に応じ、また住民の意向を踏まえて作成できるということにもなっております。
男女共同参画の考え方の本来の趣旨をしっかり御認識をいただいた上で、今後それぞれの地方公共団体の判断の下で、男女共同参画推進の正しい取組が推進されることを期待をしておるところであります。
また、農水省の家族経営協定についての御言及もございました。
一般に自由な民主的な社会においては、個人の暮らし方あるいは家庭の在り方にまで公権力が口を挟むのはいかがなものかというそういう御意見、一般的な原則論としては私は正しいと思っております。農家の家族経営協定の次は商店の家族経営協定だ、次は零細中小企業工場主の家庭の家族経営協定だというふうに拡大しかねないではないかという御批判があることも承知をしております。
ただし、この今回の趣旨につきましては、あくまでも男女を問わず意欲や能力が十分に発揮されるそういう社会が必要なんだという、そういう前提の下に進められている施策でございまして、やはり画一的なルールを強制的に押し付けるものであるというこういう誤解を生まないような努力が必要である、そういう考え方を基本にしながら男女共同参画の推進を図る必要があると、この問題につきましてもそのように考えております。
以上です。
Q千葉県の男女共同参画に関する条例案に状況に対する見解如何。
地方公共団体が制定します男女共同参画に関する条例は、既に三十八都道府県において制定されております。男女共同参画社会基本法の趣旨を踏まえて、各地方公共団体において、その地域の特性に応じて、また住民の意向などを踏まえて条例案が作成されているというように認識をいたしております。
そういう意味で、ただいまの千葉県のこともございます。千葉県においてもいろいろな議論がなされた上で条例が制定されたと思います。しかし、男女共同参画の促進は一層進むことを当然我々としても期待をいたしております。
今この例示がございましたけれども、これをもって千葉県が男女共同参画形成に前向きでないというように断定することはできない。いろいろな方法があろうかと思います。そういうことを私もよく調べていないので言及できませんけれども、全体を見て判断すべきことだと思います。
(平成14年11月5日参議院内閣委員会 質問者:田嶋陽子(無所属) 答弁者:福田官房長官)
Q政府は、男女共同参画社会基本法をもとにして、家庭を解体したり、あるいは現行婚姻制度を根本的に改めようというふうに考えているのか。
(平成14年7月22日 衆議院決算行政監視委員会第一分科会 質問者:山谷えり子(民主党) 答弁者:福田官房長官)
男女共同参画基本法で今の家庭制度とか家族制度、そのようなものを破壊するかどうかというのであれば、それはそういうことじゃないと思います。日本には日本古来の伝統もあるわけでございます。そして、今現在、その伝統にのっとった家族、家庭も存在しているわけでありまして、それは今後も、守るべきものは守っていくということなんだろうと思います。
行き過ぎた考え方というものは、私どもはとりたくない。しかし、別面、世の中も随分変わってきております。その中でも、例えば少子高齢化だとか、国際化とか、いろいろなライフスタイルと申しますか、そういうものも存在してきているということも事実でございますので、そういう個々の方々の生き方とか考え方を否定するものであってもいけない。むしろ、新しい生き方とかそういうものを積極的に認めるということも、これまた大事なことではないだろうか、そのことの方が、社会をより活性化するものになるんではなかろうか、こんなふうに考えているところでございます。
人権と家族─伝統・文化と調和した
人権・家族制度を
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