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歴史 ─ 悠久の歴史と先人の歩みに学ぶ
「親子で学ぶ神武天皇の建国物語」
  出雲井晶(作家)

『日本の息吹』平成8年2月号掲載

光をかざせば闇はおのずと消滅する―学校やマスコミでついぞ知らされることのなかった日本神話の世界に子供たちは目を耀かせた―。


出雲井晶  作家・日本画家
いずもい あき 北海道生まれ。とくに日本神話を題材とした文筆活動を意欲的に展開。著書には『春の皇后』『花かげの詩』『小さき生命のために』『昭和天皇』『にっぽんのかみさまのおはなし』『教科書が教えない神武天皇』など多数がある。近刊に『誰も教えてくれなかった日本神話』(講談社)。画家としてパリ・ル・サロン展など入選多数。内閣総理大臣賞、美術協会大賞などを受賞。「日本の神話伝承館」館長。日本会議代表委員。
 ※本ページ最後に先生の御著書を紹介しています。


■ 建国神話は日本民族最高の文化的傑作

 五十年前、占領軍は日本人を愚かにする、確かな方法を研究してやってきた。敵もさるものだ。日本の根っこ、日本人の魂の古里「日本建国神話」を消しさる事であった。
 「日本建国神話」はまず冒頭に、壮大な大字宙の理法が示され、ついで「天皇の国日本」はこの大宇宙の真理に則り出来た国である事が明記されている。地球上にこれ以上の文化的創作はない。日本古代民族が創った最高傑作。
 これさえ消せば日本は骨抜きになると考え、占領軍は直ちに実行に移した。喜んだのは戦後民主々義者たちであった。唯物論にこり固まった彼らは、物の本質を見極める力を失ってしまっている浅はかな自分の事は棚あげした。「日本建国神話」は科学的史実ではない虚構の物語だと、歴史教科書からとりさった。「三種の神器」の無私、まことの智仁勇のご精神での「神武建国」を消してしまったのだ。
 あろう事か、日本を卑めた隣国の歴史書そのまま、自国の子らが最初に教えられる国名と事項は「倭奴国王後漢に朝貢」と国辱的教科書。この建国の原点も理念も晦(くら)ました不見識な教科書が戦後五十年へた今も続いている。信じられないような現状である。「戦後、神話を無視し神話についての知識を歴史教育で与えないという事は、重大な失敗である」と坂本太郎博士(東大教授・日本歴史学会々長を歴任・文化勲章受賞)も言い続けられたのに、である。

■ 光の言葉、言霊の宝庫

天照大神(あまてらすおおみかみ)に草薙剣(くさなぎのつるぎ)を献上する須佐之男命(すさのおのみこと)
〔八俣(やまた)の大蛇(おろち)の尾から出た草薙剣を、須佐之男命は天にのぼり天照大神に献上されました。〕 (出雲井晶著『絵で読む日本の神話』より)


 その結果は、有史以来といえる極悪非道な殺人集団までが出現、次々とおきる不祥事。まさにわが国は、天照大神が天の石屋(いわや)に隠れられ、よろづの災い悉(ことごと)におこった暗闇状態となってしまった。だが有り難い事に、再び日が射し明るい世界をとり戻す手だては、神話に書かれている。自国の過去をすべて悪とする者たちと論争しても、も早、闇は消せない。闇を消すには光を点(とも)せばよい。光をかざせば闇はおのずと消滅する。戦後五十年「日本は悪い」という暗い言葉で国の中は暗闇になってしまった。この闇を消すには、「日本とは生まれた時からすばらしい国なのだ」という言葉の光で射し照らせばよいのだ。その光の言葉、言霊(ことだま)の宝庫こそが、偉大な先祖が遺してくれた「古事記神代の巻=日本建国神話」なのである。
 「日本建国神話」はそぼくな言葉で簡潔につづられてはいるが、驚嘆するばかりの真理がこめられている。はるか悠久の昔から未来永劫にかわらぬ、深遠な天地の理(ことわり)がさし示されている。遠い先祖の古代人は現代の、宇宙科学、地球物理学、生物学、心理学、すべてを包蔵した正しい道理を知っていた。大字宙は天地の創り主である天之御中主神が時々刻々創造している世界である。それは、この三次元世界しか見る事の出来ない目には視えない。
 しかし尽きる事のない叡智と慈愛といのちの満ちた、絶対に善である世界だ。どこまでも明るい光のみの、天之御中主の世界だ。だから、この真理の光を直視し伝えれば闇は消える。
 一木一草、この世にあるすべてのものの中にも天之御中主神はいます。世界五七億五千万すべての人は創り主天之御中主神のいのちの分けいのちである。大和(だいわ)の国であるわけはここにもある。また無限の供給源である天之御中主神の恵みを頂くのであるから、豊かさに溢れている。有り難い、勿体ないと喜びがわく言霊の宝庫が「日本建国神話」なのだ。

■ 大和の理想

 ついで日本の国そのものが、悠久不変の天地の理をこの世に具象化した国である事が、順序だてて書かれている。目には見えないが、確かに存在する円満な天之御中主神の心が具体化した国であるから、日本建国の精神はどこまでも「和」である。「天皇の国日本」の建国の理念は全世界が大和する、平和に仲よく暮らす大理想であることが明記されているのである。
 皇室のご祖神は太陽神天照大神である。今上陛下から代々さかのぼっていけば神武天皇に、天照大神にいきつく事も記されている。日本の天皇は、物や土地がほしいとかで侵略や征服で天皇になられたのではない。限りない智慧と無私の愛といのちの光の中からお 生まれの神が、天照大神である。
 その天の徳をうけついでおられる天成のお方が歴代天皇である。神武天皇から二六五六年、今上陛下まで皇位継承のみしるしである「三種の神器」も神代から伝わる由緒ある神器である事もわかる。神器をうけつがれる事は、神器にこめられた明るく清かなまことの仁徳を御身をもって行じられ、日本が世界が常に平和な天国のような理想郷になる事を祈っておられる。これが日本皇室の神代からずっと続くお姿なのである。
 古代の私たちの先祖は唯物文明に毒されず、物にばかり心が捉われていなかった。だから自分のうちにいます天之御中主神の澄んだ目で万象を視た。すばらしい日本の国も生まれた。

■ 神話のすばらしさに目を輝かせる子供たち

雉(きじ)の鳴女(なきめ)を葦原中国(あしはらのなかつくに)の天若日子(あめわかひこ)に遣わす高天原(たかあまはら)の神々
〔天孫(てんそん)邇邇芸命(ににぎのみこと)が豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)=日本に天くだられる準備のために天菩比神(あめのほひのかみ)が、次に天若日子(あめわかひこ)や雉の鳴女が遣わされます〕 (前掲同書より)

 西暦紀元より六六〇年も早くに、神武天皇によりわが国は建国されている。しかるに想像力の貧しい唯物論者たちによって、「神武建国」はいまだに消されたままである。しかし、一七〇〇年ほど前に隣国が卑めて書いたものが正しくて、その四〇〇年後に自分の国の先祖が書き遺した「日本建国神話」が正しくないと、後世の誰が断言出来るのか。誰も断言出来ないはずである。そんな事を言う人物たちは傲慢にも先祖を冒涜し、子孫に大罪を犯している。せっかくの日本民族の至宝である「日本建国の神話」に則った日本歴史教科書に、一日も早く正すべき秋(とき)は来ている。
 ある都内の小学校で例によって、日本の悪を強調して教えた後で「日本になど生まれてこなければよかった」と作文に書いた子が何人もいたという。子どもの自殺、いじめと無関係ではないと思えて胸が痛んだ。
 中、高校生に「日本建国神話」を語って聞かせた。彼らは「学校で先生の話を聞くと日本がきらいになる。初めて今日は日本の国のすばらしさを知った」「古代人の血を自分のうちにも感じてうれしくなった。胸を張って誇りをもって世のために尽したい」と目を輝かせた。このすばらしい神話を私たち世代で途絶えさせては申しわけない。
 世界最高の歴史学者A・トインビーは「日本神話を淵源とする皇道こそが、現代文明を滅亡から救う」と喝破している。今こそ自信をもって愛する子らの幸せのために「日本建国神話」という光を高々とかかげて歩きだそうではないか。

本会取り扱いの出雲井先生の御著書紹介 
『母と子におくる教科書が教えない日本の神話』(千三百円)、『教科書が教えない神武天皇』(六百円)、『にっぽんのかみさまのおはなし』(千四百円)、同英語版、(以上、扶桑社、産経新聞社)
『絵で読む日本の神話』(千八百円 明成社)
『誰も教えてくれなかった日本神話』(講談社 千五百円)