所:日比谷公会堂
350万国民署名、35都道県315市区町村議会で決議!
昨年十一月二十九日、教育基本法改正を求める中央国民大会が、東京・日比谷公会堂で開催された(次の四団体による共催。「日本の教育改革」有識者懇談会=西澤潤一会長、教育基本法改正促進委員会=亀井郁夫委員長、日本会議=三好達会長、日本会議国会議員
懇談会=平沼赳夫会長)。全国各地から二千五百名(国会議員百五十七名、地方議員八十四名)が集まり、会場は二階席まで一杯となり、大変な熱気のなか集会は行われた。また壇上には、全国より届けられた「教育基本法の早期改正を求める」三百五十万もの国会請
願署名が渦高く積み上げられた。
大会では、改正を求める決議が三十三都県、二百三十六市区町村議会で決議されたこと、改正に賛同する国会議員が三百八十八名にのぼっていることが発表された。
主催者の三好達、西澤潤一、平沼赳夫各会長からの挨拶の後、中山成彬文部科学大臣へ村松英子民間教育臨調副会長から国民署名が、下村博文文部科学政務官へ村上寅美熊本県議会議員から地方議会決議がそれぞれ手渡され、会場から盛大な拍手が沸きおこった。中山文科大臣、森喜朗前内閣総理大臣、櫻井よしこ氏、安倍晋三自民党幹事長代理、西岡武夫民主党参院議員からは改正へ向けた力強い決意表明が行われた。最後に岩屋毅衆院議員から大会決議が発表され、米沢隆民主党衆院議員の先導で、参加者全員が「教育基本法の改正を」と書かれた鉢巻きを絞め、「教基法改正に向けて頑張ろう」と拳を高く突き上げた。(各登壇者の発言要旨を以下掲載・文責編集部)
教育改革の根幹は教育基本法の改正
三好達日本会議会長
教育改革こそ国家の急務との認識で、昨年三月の中央教育審議会の答申を受け、教育基本法改正運動を展開してきた。今や、一日も早い改正を求める声が、全国で盛り上がっている。その象徴として、十一月二十五日の産経新聞には「教育基本法改正は国民の願い」
と訴えた意見広告を、多くの方々の協賛により掲載することができた。
今、多くの国民が堕落し、浅ましき行為を繰り返し、国民精神の荒廃は極に達している。その最大の原因は戦後教育であり、それを貫く理論は個の尊重である。過剰な個の尊重は身勝手な考えや言動を煽り、公を軽視し、国を思う心を失わしめた。そして戦後教育は、我が国の歴史、伝統、文化を否定し、宗教的情操の涵養を排除してきた。これらは、なんとしても新教育基本法で是正されなければならない。荒廃した教育を改革すること無くして国の将来はない。その根幹が教育基本法の改正である。
日本独自の文化、哲学に根ざした教育を
西澤潤一民間教育臨調会長
明治維新の急速な近代化には、世界が感銘したが、これは江戸時代まで蓄積した日本人の質の高さがあったからだ。我々の血の中には世界に誇るべき文化、才能がある。戦後教育改革は、改革の努力と謙虚さを失い、その結果、恐ろしい犯罪行為が連日起こるようになった。我々はしっかりとした世界観を持ち、何をロマンにすべきかを、もう一度確認しなければならない。「八紘為宇」という言葉があった。万邦をして所を得さしめる。各国が各々の特徴を生かし、地球の上で幸福な生活ができるようにするのが、日本の国是であった。
新渡戸稲造先生が国際的和平を実現しようと国際連盟を作ったことを、多くの人は知らない。効率主義が素晴らしい文化に基づいた政治哲学、日本独自の学問を外に出ないようにしている。これを国民の中から払拭するのが教育の責任である。
国民が一つになれば改正は必ず成る
平沼赳夫日本会議国会議員懇談会会長
日本占領中、連合国最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、マッカーサー指令を二千二百余発令したが、その目玉は憲法、教育基本法の制定であった。戦いに勝った側が負かした国を二度と立ち上がらせないようにし、未来永劫友好的な属国に位置づけようとするのは歴史の常である。
教育基本法には天皇を中心とする国柄も、家族の絆の大切さも欠落しており、半世紀、大切なものが蔑ろにされてきた。今、教育基本法の改正を求める決議が三十三都県議会で決議され、三百五十万を越える国民署名が集まった。地方から大きな力が沸き起こってきている。元号法制化の時も、国旗国歌法案の時も、昭和天皇様の御在位五十年、六十年の時もそうだった。国民が一つになり大きなうねりを起こせば必ず実現出来る。日本会議国会議員懇談会も皆様と力を合わせていきたい。
来年の通常国会には、法案の提出を
中山成彬文部科学大臣
ずっしりと重い署名を頂き、覚悟を新たにした。三身一体改革の中で義務教育制度を守ることは大変だった。地方六団体の改革案は、国が負担する義務教育費を全額削減し地方に、というもので、国に教育責任を放棄しろというものだった。日本会議、民間教育臨調の先生方には陳情に来て頂いたが、御陰様で来年度は半分を暫定的に削減し、残りは秋までに中教審の議論を経て暫定的に削減することになった。義務教育費国庫負担制度は教基法改正の問題に大きく影響する。義務教育は、国が責任をもって実地すべきであるが、このことが吹き飛びかねなかった。
今、教基法改正案のつめの議論が与党協議で行われているが、来年の通常国会には提出したい。そうなれば秋の中教審で、義務教育費国庫負担制度も含めた教育改革全体の議論をまとめることができる。
教育改革こそ日本の最大のテーマ
森喜朗前内閣総理大臣
私の内閣でEジャパン戦略、IT革命を進めたが大事なことが欠落していた。情報過多のために子供たちが犠牲になり、色々な恐ろしい事件が起きている。携帯電話も、パソコンも道具だが、自動車のように規制がない。そこに大きな隘路があった。この問題の解決
は教育以外にない。いまの教基法から欠落していることを情操教育の一環として教えることで、これらの道具が健全に使われていく。そして個を大事にするとともに公を大事にする。公とは地域、社会、国であり、国際社会だ。戦後あまりにも個を強調しすぎた。
子供たちには責任も罪もない。それを教えた、学校と我々大人の責任である。将来の故国に憂いのないよう我々はこの社会をしっかりと作り変えていくことが大事だ。だからこそ、新しい教育基本法を成立させていく。これが日本が求められている一番大事なテーマだ。
憲法が乱した戦後教育
櫻井よしこジャーナリスト
町を歩くとここは日本なのかと疑うことが度々ある。そんな中、新潟中越地震で被災者の方が助け合う姿を見て心を打たれた。日本人がまだ残っていると思った。戦後世代の言葉使い、行動、犯罪、教育の中身が乱れている。
私が憲法を読んで驚いたのは、第三章「国民の権利と義務」のところで、「権利」と「自由」が強調されていることである。本来「権利」の裏には「義務」があり、「自由」の裏には「責任」がある。「権利」「自由」と「義務」「責任」は表裏一体でなければならない。第三章には「責任」や「義務」よりも「権利」と「自由」が出てくる回数がとても多い。これが日本国憲法の性格の一面を表している。この憲法の精神に則って教育政策が行われるから日本がおかしくなる。まだ古き良き日本の心が残っている間に、この国の教育をまともにしていくように努力しましょう。
教基法に「国を愛する心」の明記を
安倍晋三自民党幹事長代理
来年、敗戦から六十年を迎えるが、占領下で成立した教育基本法、憲法から我々は脱しなければならない。教育現場で発生している様々な問題の原因は、戦後体制の価値基準が損得を越えるもの―公、家族の価値、国を守る―を全てマイナスとして教えてきたことにある。我々はこの価値の基本である教基法を変えなければならない。
今、自民・公明両党で論議となっているのは、「国を愛する心」とするか、「国を大切にする心」とするかという点である。「愛する」と「大切にする」は全く違う。「消しゴムや鉛筆を大切にしましょう」とは言うが、「消しゴムや鉛筆を愛せよ」とは言わない。国は、消しゴムや鉛筆なみなのか。改正するならば、五十年、百年経っても評価されるものでなければならない。共産党と社民党を除いた超党派により、この法案を成立させたいと思う。
単なる算盤勘定で教育を考えてはならない
西岡武夫民主党・参院議員
私どもは、新教育基本法には、国の義務教育に対する責任を明記し、更に私学振興についての責任も明確に書こうとしている。それに対し、国の補助金三兆円を削減するなかに、八千五百億円の文部科学省の予算が含まれていることは憂うべきことだ。教育は如何にして素晴らしい教師を得るかにかかっており、義務教育費国庫負担制度の意味はここにある。
敗戦後、大変な貧困のなかで、義務教育を三年に増やし中学まで延長した。昭和四十六年のニクソンショック、四十八年の第一次石油ショックから第二次石油ショックが起こる中で、人材確保法や私学振興助成法を制定し予算を獲得してきた。これには大変なエネルギーを必要とした。未来の子供たちのことを考えず、そろばん勘定で予算を削ることは、日本の将来のためにしてはならない。
教基法改正は議員の義務
亀井郁夫改正促進委員会委員長
先日、平沼調査団でイギリスに行ったが、一九四四年教育法下の惨憺たる状況から、一九八八年のサッチャーの教育改革で、文部省が二万数千校の義務教育校のうち千二百校を教育困難校と指定し、二百校を廃校にし、懸命な教育改革をやっていた。我々国会議員にとって教育基本法の改正は義務である。一所懸命にがんばりたい。
大会決議
わが国の教育の現状は、史上かつてないほどの深刻な事態を迎えている。諸外国に目を転ずれば、アメリカ、イギリス、ドイツなどの欧米先進国はもとより、近隣の韓国、中国などアジア諸国も国家戦略として教育の充実に心血を注いでいる。
かかる内外の情勢のもと、国家発展の基礎をなす教育政策を軽んずることは、わが国の社会、経済、文化などあらゆる分野に大きな混乱と遅滞を招き、国家存亡の危機を迎えることは明白である。
我々は、教育基本法の抜本的改正こそが、教育現場に胚胎している様々な問題を解決する改革の王道であり、わが国を活気溢れた誇りある国に甦らせる端緒となると確信する。教育荒廃が蔓延する中、その改革を求める国民の声は日増しに高まっている。かかる中、我々は国会、地方議会、民間のそれぞれの場で、教育基本法改正運動に取り組んできた。
現在、同法の改正を求める国民署名数は三百五十万名をゆうに突破し、同じく地方議会における決議数は三十三都県、二百三十六市区町村を数える。昨今の世論調査でも、七割に及ぶ国民が改正に賛意を表明しているのである。
こうした国民世論の盛り上がりの中で、衆参両院の過半数に達する三百八十名の国会議員が賛同し、政府に対して次期通常国会における教育基本法改正法案の提出を求めるに至った。
すでに機は熟した。現下の国民世論を顧みれば、教育基本法改正に躊躇する理由はもはやどこにも存しない。多くの国民は、国会の場ですみやかに教育基本法の改正が実現する日を、今や遅しと待ち望んでいるのである。
我々は、新しい教育基本法の下において、わが国の歴史・伝統・文化を尊重し、愛国心と宗教的情操とを涵養する教育が行われ、さらに家庭での教育が充実され、もって次代を担う青少年が、明るく誇り高い日本人として育ちゆくことを強く念願するものである。
我々は、ここに中央国民大会の名において、次期通常国会での教育基本法改正の実現を目指し、政府及び政党各党に対し、次の二点を要望する。
一、小泉内閣におかれては、教育の危機打開に向けて、教育基本法改正法案を次期通常国会に提出し、その成立を期することを強く要望する。
一、各政党におかれては、教育改革を求める国民世論を真摯に受け止め、教育基本法改正を中心とする教育政策を国民に提示することを要望する。
右、決議する。
平成十六年十一月二十九日
教育基本法改正を求める中央国民大会