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教育─子供たちの未来を拓く教育改革を
教育基本法改正を求める
緊急国民集会

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時:平成17年3月2日
所:東京、憲政記念館ホール


三月二日、東京・憲政記念館で、「教育基本法改正を求める緊急国民集会」が開催された(次の四団体による共催。「日本の教育改革」有識者懇談会=西澤潤一会長、教育基本法改正促進委員会=亀井郁夫委員長、日本会議=三好達会長、日本会議国会議員懇談会=平沼赳夫会長)。国会議員百三十九名(代理を含む)をはじめ、八百名が参加した。
集会は、岩屋毅・改正促進委員会事務局長の司会で、始めに主催者を代表して三好会長、平沼会長が挨拶を行った。今国会での改正法案提出見送りの動きに対して、三好会長は「なんたる認識不足。国民の心の荒廃を導いた戦後教育の実状をご存知ないのか」と厳しく批判、平沼会長は「超党派国会議員連盟は今国会で決然たる行動を起こさなくてはならない」と発言した。
日本青年会議所、(社)日本高等学校PTA連合会、心の東京革命推進協議会の各界代表からは、教育問題に早急な対応を求める発言がなされた。中山成彬文科大臣の代理として登壇した下村博文・文部科学大臣政務官からは「国会の会期末になっても法案提出をしたい」と意欲を示した。
集会では、教育基本法改正促進委員会の亀井郁夫委員長、松原仁事務局長代理が提言をし、古屋圭司副委員長が決議文を朗読。「(超党派の国会議員連盟が定めた)新教育基本法の大綱を基に独自の改正法案を作成し、議員立法としての提出を目指す」ことが表明さ
れ、集会の総意として決議文が三好会長から青山丘・自民党組織本部長、笠浩史・民主党教育基本問題調査会事務局次長へ手渡された。最後に衛藤晟一・日本会議国会議員懇談会事務局長から、教育改革に向けての力強い呼びかけがなされた。


法案提出の引き延ばしは責任放棄

三好達(日本会議会長)
一月二十八日、新聞各紙で「教育基本法案の提出見送り」との記事に唖然とした。しかも自民党の有力な国会議員が「敢えて改正を急ぐ必要はない」「憲法改正の行方を見定めるべき」と発言したと書かれていた。これが事実なら、なんたる認識不足か。これほどま
でに我が国民の心の荒廃を導いた戦後教育の実状をご存知ないのか。教育基本法の改正が遅れれば一生涯に渡って損失を被る国民が益々増え続ける。また憲法改正は最終的に国民投票で決められるので、まず教育をまともにし、立ち直った国民が多数を占めなければ、
国をまともな姿に直す憲法改正はできない。為政者が教育基本法改正を引き延ばし続けるのならば、責任の放棄と言っても過言でない。私どもの切なる気持をくみ取り頂き、何としても改正法案を今国会に提出頂きたい。


今通常国会で決然たる行動を

平沼赳夫(日本会議国会議員懇談会会長)
一九七〇年代、英国はイギリス病にかかり、偏向した歴史教育、教員の自由裁量での勝手な授業が行われていた。その結果、学力が低下し、読み書きができない者もいた。その時サッチャー首相が教育改革に乗り出し、女王陛下から任命された勅任監査官により、学
校鑑査が徹底して行われ、問題のある学校を廃校にした。昨年九月、古屋圭司議員を団長として、山谷えり子議員、笠浩史議員、亀井郁夫議員、松原仁議員が英国調査に行った。
サッチャー後のメージャー政権も、労働党のブレア政権でも教育を最重要課題とし、改革をさらに押し進めた。その結果、新しい教育法と厳しい鑑査制度が根付き、大変な成果があがったのだ。我々は、戦勝国の占領時に押しつけられた憲法の精神の下に制定された、教育基本法改正のために、今通常国会で決然たる行動を起こさなくてはならない。


会期末になっても法案提出を

下村博文(文部科学大臣政務官)
本日は中山文科大臣の代理として参りました。平成八年の小渕内閣の時に教育改革国民会議が発足し、同時に十五の政策提案と教育基本法の見直を提言し、十三年から中央教育審議会で総会十一回、部会を十六回、合計二十七回の議論を行い、十四年に中央教育審議
会から教育基本法について中間報告を提出。その後、全国から意見募集し、一万三千百件の国民の意見を頂き、全国五会場で一日中央教育審議会を行い、有識者、教育関係の三十一団体からヒヤリングを行った。十四年は中央教育審議会の総会を四回、基本問題部会を
十二回を開いた。このような積み重ねにより、十五年に答申を提出した。この答申を受けて、与党協議が行われている。是非、与党で取りまとめ頂きたい。文部科学省としては、たとえ国会会期末になっても法案提出をしたい。そのための準備をしている。


公に役立つ人となる教育を

高竹和明(日本青年会議所会頭)
ゆとり教育で学習内容を三〇%、授業時間を二五%カットした結果、学力水準と学習意欲を低下させた。教育基本法案で与党が国を「愛する心」「大切にする心」の些細な違いで固執しているのを私は正直理解できない。日本青年会議所は、提言書「愛国のすすめ」で、素晴らしい個を育むために、公の形成の重要性を強調し、公を愛し、公に役に立つ人を育てる教育を提唱した。教育を通じて知識、技術を身につけ、人格を高めることは憲法にも記載されている個人の重要な権利である。これを保障するのは国家である。個人と国家の関係を自覚した公共心ある国民の育成は、健全な国家の維持・発展に不可欠である。親、教師、地域社会、国とが一体となり理想の日本国家をイメージし、どんな日本人を作っていくのかを議論することが重要である。


国に教育現場の調査・指導の権限を

渡辺綾子((社)全国高等学校PTA連合会前会長)
広島の子供たちと英国に短期留学した折、イギリスの子供が君が代を演奏し、立ち上がり、敬意を表してくれた。しかし広島の子供はどうしたらいいか困っていた。広島の教育現場にはある種の思想団体が入り、未成熟な子供たちに誤った思想教育をしている。親として腹立たしい。教育基本法には是非、国が現場の教育を調査、指導することを盛り込んで欲しい。広島県は三十年で、三十数名の管理職の先生が自殺した。今は国の是正指導を受け、学力が向上し、一斉テストの実施・公開をする体制が整いつつある。他県でも色々
問題があると聞いているが、自殺者が出なければ是正指導されないというのでは困る。広島のような惨事が二度と起きないよう、皆様のお力をお借りしたい。


早期の法案提出を求める

多湖輝(千葉大学名誉教授、心の教育改革推進協議会会長)
学校教育というのは、教育長の下に市区町村があり、その中に色々な考えの人もいるので簡単には変わらない。それが国レベルになると相当大変である。国民が立ち上がらなければ絶対に変わらない。そこで今、私は家庭に重点を置いている。日本の家庭も欧米並に
崩れかかってはいるが、先進国の中ではまだ良いほうある。実は子供が成人するまでに夫婦の離婚率が一番高い国は福祉の進んだ国である。アメリカでは家庭が崩れるとともに犯罪が増え、毎週二ヶ所の刑務所を作らなければ、間に合わない。世界中がいま荒れている。秩序を崩そうとする力と守ろうとする力が絶えず葛藤状態だ。これだけ議員の先生方がいて、法案一つ通せないのは情けない。世の中の動きは速い。この間にも子供たちがどうなっているのかを是非考えて頂きたい。


憲法前文にも「国を愛する心」を

保利耕輔(教育基本法改正に関する与党検討会座長)
教育基本法改正に関する与党検討会では、「政府提出法律案であること」「全文改正すること」などを原則に立てて、限りなく法文に近いもので検討を重ねてきた。これから大事なことは、次第に文科省の中山文科大臣の主導で文案を作って頂くように、軸足を移していくことである。しかし民主主義である限り、文科省案を、再び与党で検討しなければならないので時間がかかることは御理解頂きたい。憲法改正の議論があるが、私は国を愛する心に準ずる文言を憲法前文に盛り込むことが必要だと思う。この「愛国」という言葉
は、日本書紀の持統天皇第四年のくだりに出てきて、「くにをおもうこころ」と読ませている。このように歴史ある国・日本を子供たちに教えることは教育基本法、憲法前文にきちんと盛り込む必要がある。出来るだけ速く、今の教育現場の状況を直すべく頑張ってい
きたい。


教育は国政の最大のテーマ

笠浩史(民主党教育基本問題調査会事務局次長)
鳩山由起夫・民主党教育基本問題調査会会長のメッセージを代読します。「我が党では(自民・公明の与党協議で議論となっている愛国心、宗教的情操など)の議題も含めて、あるべき教育の姿を見据えた新しい教育基本法の取りまとめに向けて真剣な議論を行っております。私は教育基本法と憲法は正に一体であり、新しい教育基本法は当然ながら新しい憲法とあわせて議論されるべきと認識しております。よりよい国をつくっていくために、教育を創り出していくために、民主党としての考え方を早期に取りまとめたいと考えております」。英国のブレア首相、米国のブッシュ大統領とも、時のリーダーは教育を国政の最大のテーマに位置づけている。岡田代表にもそのことを認識頂きたいと申し入れている。教育基本法改正問題は党利党略に流されてはいけない。出来るだけ速く、我々の考え方を世に問いたいと思う。


改正法案の議員立法提出を視野に

亀井郁夫(教育基本法改正促進委員会会長)
我々、教育基本法改正促進委員会は、現在、三百八十八名の国会議員が超党派で集まり、改正実現に向けて団結し、議員立法も視野に入れながら検討している。地方では三十六都道県議会、三百三十市区町村議会で、教育基本法の改正を求める決議があげられた。国民
の三百五十万名の署名も集まり、大きなうねりが起こっている。このチャンスに、是非とも教育基本法改正に向けて頑張りたい。かつて教育県と言われた広島は、五年前、学力は国内最低、非行少年の検挙数は国内で最高という、惨めな状況であった。文科省の是正指
導を契機に、県の教育委員会がイギリスのサッチャー教育改革のような教育改革に取り組み、学力も非行少年も改善されつつある。力をあわせて、子どもたち、孫たちのために、教育を立て直していきたい。


国家意識への目覚めが教育を変える

松原仁(教育基本法改正促進委員会事務局長代理)
物事にはタイミングがある。今、日本は大きく変わってきている。拉致問題を契機に、多くの国民が国家を考え始めた。イギリスではサッチャーの教育改革の前、非行が多く、学力も低下し、極めて厳しい状況であった。歴史教育の偏向、自虐も甚だしいものがあった。これを変えたのは、フォークランド紛争であった。サッチャー首相は、イギリスの領土を、イギリスの誇り、先人の名誉にかけて、一センチたりとも譲らず、守り抜いた。このことにより、世論は百八十度変わった。これを起爆剤として、国が教育の最終的責任を持つ、大胆なサッチャー教育改革が行われたのである。今、日本には拉致問題がある。「拉致問題は国民が一致団結して行動すべきだ」との意識の高揚こそ、日本の教育改革の推進力となるべきである。そして今後さらに、具体的な教育現場の問題を明らかにしていき、教育改革への国民意識を盛り上げていかなければならない。



決議

教育基本法の全面的な見直しを提唱した平成十五年三月の中央教育審議会の答申より、既に二年が経過しようとしている。その間にも、青少年の規範意識の崩壊、学力の低下等は進行し、根本的な教育改革の必要性はさらに高まっている。
しかしながら、改正法案の検討を行う与党協議においては、「愛国心」「宗教的情操」「教育行政」等に関する意見集約はなされておらず、国会への法案提出は未だ実現には至っていない。
あらゆる国々が自国の歴史と伝統、そして文化を次世代に伝える愛国心教育を重要な教育理念としているにもかかわらず、なにゆえ我が国のみが愛国心の涵養に力を注ぐことが許されないのか。また、想像を絶するような少年犯罪が起こるたびに、心の教育の緊急性が叫ばれているにもかかわらず、道徳心を培い、目には見えないものに対する謙虚な姿勢を育む宗教的情操教育を、なにゆえ教育の柱とすることが出来ないのか。さらに、イギリスのサッチャー教育改革にも示されているように、諸外国が国家浮沈の鍵を握るものとし
て、国家戦略としての教育の充実に力を注いでいるときに、なにゆえ国の教育権をあいまいにし、教育現場に対する無責任体制を続けようとするのか。
現在の教育基本法改正論議の停滞は、改正を望む国民世論の期待を裏切るものであり失望を禁じえない。政府・与党は一日も早く法案を取りまとめ提出を決断すべきである。衆参両院に三八八名を数える超党派の国会議員連盟である改正促進委員会は、ここに早期の改正実現を目指して、昨年六月に民間教育臨調と合同で公表した「新教育基本法の大綱」に基づいて独自の改正法案を作り、議員立法として提出する準備を進めることを表明する。
また民間としては、これまでに、改正を求める三五〇万の国民署名、三六都道県三三〇市区町村での地方議会決議を達成し、昨年十一月、日比谷公会堂で開催した国民集会において中山文科大臣にその成果を提出した。今後は各地区で取り組まれている教育改革運動との連携を深め、また各界各層への働きかけを一層強め、教育基本法改正へ向けた国民の大同団結の形成をめざすものである。我々は、ここに進展の見られない改正論議の現状を打破すべく次の二点を決意する。
一、超党派の国会議員連盟は、先に定めた「新教育基本法の大綱」を基に独自の改正法案を作成し、議員立法としての提出をめざす。
一、民間においては、賛同する各種団体、各地の国民の声をさらに広げて教育基本法改正に向けた国民の大同団結の形成をめざす。
右、決議す。
平成十七年三月二日
教育基本法改正を求める緊急集会